WEBサイトのBCP対応ポイント 緊急時に備えるWEBサイト運用体制とは

震災や台風・豪雨など災害、事業継続に影響が発生する事件・事故が発生した場合に備えてBCP(Business Continuity Plan 事業継続計画)を策定している企業は多いかと思います。一方で、自社サイトや各種サービスサイトなど、有事の際のオウンドメディアでの情報発信の継続方法について対策できている企業は多くありません。TwitterやLINEなどのSNSと連携し、正確な情報をいち早く外部発信することで、混乱やネガティブな憶測を防ぎ、信頼を得ることが可能です。今回は、緊急時のWEBサイト運用体制構築のポイントについてご紹介します。


事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)とは


災害時に特定された重要業務が中断しないこと、また万一事業活動が中断した場合に目標復旧時間内に重要な機能を再開させ、業務中断に伴う顧客取引の競合他社への流出、マーケットシェアの低下、企業評価の低下などから企業を守るための経営戦略。バックアップシステムの整備、バックアップオフィスの確保、安否確認の迅速化、要員の確保、生産設備の代替などの対策を実施する(Business Continuity Plan: BCP)。


知る・計画する : 防災情報のページ - 内閣府  http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/keizoku/sk.html


目次[非表示]

  1. BCP実施の流れ
    1. BCP対応ポイント1 :被害レベルに応じた対応基準
    2. BCP対応ポイント2 :通常運用の延長線上での緊急時体制の構築
    3. BCP対応ポイント3:リハーサルの実施
  2. BCP対策を機会に運用体制をアップデート

BCP実施の流れ

WEBサイトの緊急体制を構築・実現するために、どのようにBCP策定を進めていけばよいでしょうか。トランスコスモスでは、お客様企業内で策定されたBCP、セキュリティルールに沿って下記のようなステップで実施しています。

① BCP対応基準・対応方法の策定
② 対応方法に沿った更新手段の用意(専用ページ・更新エリアの制作、インフラ整備など)
③ 対応マニュアルの作成(依頼側・作業側の対応手順をまとめ)
④ 定期的なリハーサルの実施(3ヶ月に一度の実施など)
⑥ 緊急事態発生時の対応


BCP対応ポイント1 :被害レベルに応じた対応基準

地震や災害規模は様々です。そのため、被害レベルに応じた対応基準と対応方法を検討する必要があります。

通常はWEBサイト運用責任者の指示があり緊急体制への移行が想定されますが、サイト更新内容の重要度によってはある一定以上の大きな事象が発生した際は自動的に緊急体制に切り替えを行う必要がある場合や、緊急時は通常運用とは異なる方がサイト指示をする必要があるかもしれません。

BCPで策定した運用体制への切り替え指示を”だれ”が”いつ”するのか、同時に被害レベルに応じて最低限更新しなければならない業務を"いつまでに"対応するのか、現実的な目標を定め関係各社と合意しておくことで初動の遅れや更新漏れを防ぐことが可能です。


○対応パターン例


その他、WEBサイトを支えるサーバーやデータ、各種マーケティングツールについてもバックアップ体制、復旧までの流れを確立、定期的な見直しも必要です。年々WEBサイトはデータ連携が進み複雑化し、把握しづらくなっています。情報システム部門やシステムベンダーと連携し、緊急時の手順や体制についてマニュアルに記載しておくことも重要です。


BCP対応ポイント2 :通常運用の延長線上での緊急時体制の構築

BCP対応の課題のひとつに、緊急時の人員確保に加えて、研修・待機コストが挙げられます。サイト規模が大きくなればなるほど、コスト負担が増大します。そのため、平常時の運用メンバーを中心とした体制構築が理想的です。平日の待機コストがなくなり、土日祝日対応の待機メンバーのコストのみで365日BCP対応が可能になります。また、普段より運用業務に慣れたメンバーが対応するため、更新ミスや漏れなどのリスクも軽減されます。


○体制イメージ


対応拠点体制についても同様です。トランスコスモスでは、平常時から複数拠点で制作運用を行い、万が一の場合でも該当案件のオペレーションに慣れたメンバーで対応できるような体制を構築しています。


BCP対応ポイント3:リハーサルの実施

リハーサルでは「通常時と異なる人が更新指示をする場合は、その人にもご協力いただき実際に更新依頼を行う」「早朝・深夜を想定して夜間入口から出勤する」など、マニュアルに記載した通りに実施します。

策定したマニュアルが実際に無理なく実行できるか、運用ルールや緊急時連絡網は最新になっているかマニュアルの漏れや不備を点検しつつ定期的にリハーサルを実施し、チーム全体が緊急時の対応フローに慣れておくことで緊急時に確実に実行できる体制を目指します。


○対応フロー例

BCP対策を機会に運用体制をアップデート

BCP対策で一番重要なポイントは、日々の運用業務の効率化・円滑な情報共有にあります。日々の更新業務で、属人化されてしまっている、ミスが発生しやすい、効率が悪いと感じているが改善できていないなどの作業が緊急時のボトルネックになります。

また、日々のオペレーションに追われ、BCP対策まで着手できずにいることも多いかと思います。BCP対策を機会に、通常業務もあわせて見直し・改善することで、緊急時でも実行力のある体制を構築することができます。

トランスコスモスでは、年間700社を超えるWEBサイト構築・運用ノウハウをもとに、運用業務の見直しのための業務調査からニアショア・オフショアを活用した大規模サイト運用まで幅広く対応しております。WEBサイト運用業務についてお気軽にご相談・お問い合わせください。


Yumi Miyazaki
Yumi Miyazaki
2007年入社 WEBディレクターとしてWEBサイト、メールマガジン運用を担当後、 2012年頃からデジタルマーケティング領域の営業支援、新サービス開発にまつわる諸々を対応。

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