「コミュ調2021」徹底解説
消費者と企業のコミュニケーション実態調査から読み解く、令和の「DX推進」新常識


【はじめに】

近年、DX(Digital Transformation|デジタルトランスフォーメーション)への注目が集まっています。
そしてDXによる変革の波は、消費者と企業のコミュニケーションの領域にも押し寄せています。

トランスコスモスでは、2016年より「消費者と企業のコミュニケーション実態調査」を開始以来、デジタル化が消費者コミュニケーションに与える影響を分析し続けてきました。その結果、多くのお客様企業より好評をいただき、年に1回の経年調査として「コミュ調」の愛称で親しまれています。

6年目を迎える2021年度の調査も、例年同様3,097人のあらゆる世代のインターネットモニターに対し、アンケート調査を実施しました。

 

図:消費者と企業のコミュニケーション実態調査 実施概要

 

ここ数年、DX推進の一環として、チャットボットの導入によるデジタル化に取り組む企業が増えています。
しかし「チャットボットを導入したものの、あまり利用されず効果が出ない」といった声も多く、長続きしないケースが多いようです。

このような失敗は、なぜ起きるのでしょうか?

結論から言うと、消費者理解が不足していることが原因だと考えられます。

・そもそも消費者は企業とコミュニケーションをどのようにとっているのか。
・消費者が真に求めている顧客体験(CX:Customer Experience|カスタマーエクスペリエンス)とは何か。
・デジタル化によって、消費者はどのような便益を得ることができるのか。

そうした消費者視点で考える姿勢が欠けていることに起因しているのではないでしょうか。

本連載記事では、「コミュ調2021」の調査結果をもとに、消費者視点でDXの在り方を捉えなおします。
企業が消費者コミュニケーションのDX推進に失敗する理由を考察し、DX推進のために必要な組織体制や具体的な施策について、全3回にわたって徹底解説します。

 

この連載を通して消費者と企業のコミュニケーションにおけるDX推進の「新常識」を獲得し、今後進むべき方向性をみなさまと共に考えていくことができれば幸いです。