
【EC業界ニュース スペシャル】世界8都市オンラインショッピング利用動向調査2025
Today’s Topic |
SHEINとTemuは認知率だけじゃなくて、利用率も意外と高いね!価格やサイトの機能面意外に、ブランドにとらわれないコスパ重視の価値観が利用浸透に貢献しているみたいだよ |
※本記事は3月24日にトランスコスモス 調査部公式ブログに掲載された記事を転載しています。 |
毎年恒例となるトランスコスモスの自主調査「世界8都市オンラインショッピング利用調査2025」が公開されました。
今年の調査では、調査対象都市のひとつであるニューヨークをロサンゼルスに変更しました。また、これまでのオンラインショッピング利用実態に加え、今後の利用意向についても聞いています。
トピックスとしては、中国格安オンラインショッピングサイトを含む「越境EC」(Cross Border E-Commerce)に加え、「ソーシャルコマース」(Social Commerce)、そして新しいテクノロジーへの興味関心に焦点を当てました。
1. SHEINやTemuなどの中国格安オンラインショッピングサイト、ロンドンとロサンゼルス、バンコクでは6割以上が購入
・これらのサービスは総じて好印象を持たれる傾向にある。8都市共通して「国内で買うよりも安価に購入できる」が1位にあがっており、価格以外では購入のしやすさもポジティブな印象を持たれる要素となっている。また、「人気ブランドの類似品を安価に購入できる」も一部都市では上位にあがっており、正規品ではないことを把握した上で購入している利用者が一定層いることも明らかとなった。 ・一方、東京とソウルでは、他都市と比べて品質面への懸念が多くみられ、「思ったほど商品の品質は高くなかった」や「正規品ではないものが届く」などの回答が多くあげられた。 |
図表1. SHEINやTemuなどの中国格安オンラインショッピングサイトの認知度(%)
図表2. SHEINやTemuなどの中国格安オンラインショッピングサイトの印象Top5(%)
2. ソーシャルメディアの利用は買い物目的が上位に、東京を除く7都市ではソーシャルコマースの経験が過半数を超える ・ソーシャルメディアの利用目的は、8都市共通で「買い物をするため」に利用しているという回答が上位にあがった。その中でもジャカルタ、上海、バンコクでは買い物目的でソーシャルメディアを利用する割合が高く8割以上を超える。 ・ソーシャルコマースの利用経験が東京を除く7都市で過半数を超えており、特にジャカルタ、上海、バンコク、ムンバイでは高い割合で利用されている。 ・ソーシャルコマースの主な購入先としては、「TikTok(抖音)」が最も多く利用され、中でも上海とジャカルタ、バンコクでの利用率が高く7割を超える。また、「Instagram」や「Facebook」などのプラットフォームもよく利用されているが、東京では「YouTube」が最も利用されている。 |
図表3. ソーシャルコマースの利用経験の割合(%)
図表4.ソーシャルコマースの主な購入先(%)
3. 没入型やAIを活用したショッピングが注目集める、特に上海とムンバイは新テクノロジーへの関心が高い ・全体的にショッピング体験を向上させる新しいテクノロジーへ関心は高く、中でも上海とムンバイでは全体的に回答率が高い傾向にある。一方、東京とロサンゼルスでは、新しいテクノロジーを試したくない利用者が一定層みられ、特に東京の関心は低く過半数を超える。 ・関心の高いテクノロジーとしては、試着や試し置きが可能な没入型体験や画像認識やレコメンドなどAI活用、仮想空間でのウィンドーショッピングなどがあげられる。一部都市ではライブコマースや音声による対話型コマースなど、よりインタラクティブなショッピング体験への需要が高い傾向にある。ライブコマースは、ジャカルタと上海、対話型コマースはムンバイでは高い関心を寄せられ、各都市で5割を超えた。 |
図表5. ショッピング向上体験のために試したい新テクノロジーTop3(%)
■「世界8都市オンラインショッピング利用動向調査」について
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中国発の格安オンラインショッピングサイトが世界中で支持を広げている背景には、単なる価格の安さだけでなく、比較や購入のしやすさといったスピード感や、ブランドにとらわれないコスパ重視の価値観の浸透があります。
また、ソーシャルメディアも情報収集の手段から購入の場へと進化しており、特にアジアの新興国では、TikTokやInstagramが検索窓のように機能し、ECへのエントリーポイントとなっているのが特徴です。
さらに、没入型や対話型といったテクノロジーを通じた "未来の購買体験" への関心も高まっており、消費者の購買行動は確実に次のフェーズへと移行しつつあります。
今回の調査結果は、グローバル消費者が安さだけでなく、即時性、手軽さ、体験価値といった複合的な要素を重視しながら、より多様な購買体験を求めていることを明らかにしています。
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