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【10/20開催】これからの時代、何を使う?どう売上をあげる? セミナーレポート

新型コロナウイルスの流行に伴い多くの企業が働き方の変化を迫られるなかでも、成長を続ける企業・組織は一体、「何をして」「何をしなくなった」のでしょうか。

コロナ禍におけるITツールの活用や今必要とされるマネジメントなど、これからの新時代を生き残るために何が必要なのかをUUUM株式会社の取締役COO・梅景匡之様、トランスコスモス株式会社の執行役員・所年雄、そしてモデレーターのビジネスバーチャルキャラクター権野剛士氏の3名が、時間目一杯までディスカッションした内容をお送りします。


😀本記事の最後では、ダイジェスト動画もご覧いただけます!



イベントの概要はこちらから

  【10/20開催】これからの時代、何を使う︖どう売上をあげる︖ | trans+(トランスプラス) コロナ禍でも成長を止めない組織は一体「何をして」「何をしなくなったのか」。 本イベントでは、UUUM株式会社の取締役COO・梅景匡之氏、トランスコスモス株式会社の執行役員・所年雄氏にご登壇いただき、経営者目線から 新時代の生き残り方 をディスカッションしていきます。 trans+(トランスプラス)


【登壇者紹介】

梅景 匡之 様

UUUM株式会社 取締役COO


所 年雄

トランスコスモス株式会社 DEC統括 DX本部 執行役員


【モデレーター】

権野 剛士 様

ビジネスバーチャルキャラクター


目次[非表示]

  1. 動画を起点とした情報伝達に関する課題を解決する「riclink」
  2. これまでの何を変化させ、何を導入し、何をしていくべきなのか
    1. 社員が身につけなければいけない要素、管理職が身につけなければいけない要素はそれぞれ何か
    2. 乱立するツールをいかに活用するか
    3. より効率的にデータ活用をするために
    4. ここから先、BtoB戦略で特に注目したいジャンルや技術は?
  3. 質問回答コーナー

動画を起点とした情報伝達に関する課題を解決する「riclink」

まず初めに自己紹介をさせていただきます。デジタル管理のクラウドツールである「riclink(リクリンク)」というサービスのPRのお手伝いをさせていただいている、権野 剛士と申します。

まずはゲストのお二人をお招きする前に、簡単にriclinkとはいったいどういうものなのか説明させていただきます。

riclinkは、株式会社シーズ・リンクが提供している、動画を起点とし、情報伝達に関する課題を解決するためのサービスです。BtoB戦略における様々なコンテンツ管理や配信を行うことが可能です。また、セキュアな環境での動画配信や、テンプレートを用いて容易にWEB製作ができる機能、手持ちのデータを手軽に共有する機能が特徴です。

その他にもインタラクティブ機能という、作成した資料をその場で動画に貼り付けて送信することができる最新テクノロジーも備わっています。

これを皆さんは「導線改革」と仰っているのですが、セールスや人事などを新しい導線で新しい伝え方ができるようなサービスになっています。



実際にriclinkを活用されている企業様などから頂いた声をいくつかまとめました。


・これからの時代、相手が見やすい・共有しやすい手法が結果を生む

働き方が大きく変わったいま、物理的に集まって会議などをする機会も減ってきているため、今まで以上に相手に伝わりやすい、分かりやすい手法で物事を伝えることが重要になっている。


・これからの時代、動画は資料である

コンシューマー目線では動画は見て楽しむものという「エンタメ」のイメージが強いが、BtoBにおいては効果的に視覚に訴えかけることのできる「資料」であるという考え方が今後は広まっていく。

そのうえで内容を詳細に、より正確に伝えるためにも、インタラクティブ機能を使って資料と動画を組み合わせることが重要になっていく。

BtoBの場面では詳細を伝えることはとても重要であるため、動画だけでは足りない部分に補足説明として資料を貼り付けるのは、非常にシンプルながら効果的に物事を伝えることができる。


・これからの時代、デジタルログで相手の行動や興味が読める

送った動画や資料、WEBページに対する行動のログが残ることで、相手の行動や興味が読めるのは今後のセールスにおいて武器になる。


・これからの時代、デジタル施策は素人でも扱えるべき

これまでは業務のデジタル化を推進するにあたって何かと専門性が求められることが多かったが、これからは専門的なスキルを持っていなくても、誰でも容易に扱えるようになるサービスやツールが求められる。


・これからの時代、デジタル活用で顧客体験を変えていく

これからの時代で最も重要視すべきはCX。新たな顧客体験をいかに提供できるかが新時代を生き残るための鍵になる。


ということで、riclinkについて簡単にご紹介させていただきました。

それでは、ゲストのお二人の準備もできたようなので、イベントを開始させていただきます。

これまでの何を変化させ、何を導入し、何をしていくべきなのか

所さん、梅景さん、短い時間ではありますが楽しく会話させていただければと思いますので、宜しくお願い致します。


みなさんこんにちは。UUUM株式会社の梅景です。

私はもともと通信会社に13年勤めていまして、UUUMには7年前(UUUMの創立は8年前)にジョインさせていただいています。今はマネジメントを中心に、インフルエンサーマーケティングや広告まわりを中心に事業をさせていただいています。今日はいろんな良い話が聞けたらなと思っています。


ちなみにUUUMにジョインされた頃(2014年)って会社はどういうフェーズだったんですか?


当時は社員がまだ3人で、クリエイターも7~8人しかいませんでした。今はクリエイターも1万人を超えていますが、当時はまだまだこれからの会社という状態でした。


そうだったんですね。では次に、所さん宜しくお願い致します。


はい、宜しくお願いします。トランスコスモス株式会社の所と申します。

弊社をご存じのかたはコールセンターとか、アウトソーサーといったイメージが強いかと思われますが、インターネット普及後はデジタルマーケティングに関するビジネスも非常に大きくなっていて、力を入れている部門です。

私自身は1999年に入社しまして、かれこれ20年以上経ちましたが、ずっとデジタルマーケティング系の仕事をしています。最近はSNSやLINEに関する業務がメインで、LINEとAIを組み合わせたサービスなどをリリースさせていただいています。

今日はそんなに気の利いたことは言えないかもしれませんが、いろんな話を聞けることを楽しみにしています。


ありがとうございます。これから約1時間、宜しくお願い致します。

今日の流れを簡単にお伝えさせていただきますと、ツール選定や、KPIの設定、CXの向上、データ分析・活用、マネジメントの強化など、いろんなテーマでお話ができればと思っています。

では、まず始めに「組織の管理の在り方、価値の変化」について見ていきたいと思います。


社員が身につけなければいけない要素、管理職が身につけなければいけない要素はそれぞれ何か

ラーニングエージェンシーという企業さんが、管理職1,061人と新入社員3,770人を対象にした、部下の育成や働き方に関するインタビューがあるんですが、その結果を見ると、「明らかに昔とは異なる価値観」が重視されていることがよく分かります。


引用:【ラーニングエージェンシー「第2回 管理職と新入社員の意識比較調査」】


昔は新入社員はとにかくコミュニケーション力やプレゼン力といった提案に関する技術の向上が重視される傾向がありましたが、今の若い社員は論理的思考力であったり、PCスキルや専門スキルを身につけたいという人が多いのがこの表を見ると分かります。

一方、管理職の方々は何よりもまずはタイムマネジメントを覚えてほしいという気持ちが強いようです。これがコロナウイルス感染拡大の影響があるのか、もしくは時代的にそうなのかは定かではありませんが、双方の考え方にズレが生じてきているというのがよく分かります。

そしてそのなかでも特に顕著に差が表れたのが、「PCのスキルとタイムマネジメント力」の2つです。

こういった管理職と新入社員の声を見て、お二人はそれぞれ若手社員と管理職に必要なものは何だと思いますか?


結論から言えば、PCのスキルもタイムマネジメント力もどちらも重要だと思います。働き方も日々変化していく中で、若手の社員を見ているとスマホの操作などは詳しいけれど、PCのリテラシーは意外と高くないのでは?という印象を受ける場面があります。

また、タイムマネジメントについても、従前からUUUMもリモートワークやフレックス制度を導入しているため、自己のマネジメントをどうしていくかという点も非常に大事になっていると思います。


私も若手社員を見ていて、スマホのスキルはあるけれどPCのスキルは無かったり、在宅勤務をしていることもあり、自宅で発生したネットワークまわりの軽微なアクシデントくらいは自力で解決できるくらいの知識やスキルは持っていてほしいなと感じることはありましたね。


重要視する項目として、若手のパソコンスキルと、管理職のタイムマネジメント力にこれほどまでの差が出たのはなぜだと思われますか?


コロナ禍ということを前提に言うと、社員1人1人を完全に管理するのは不可能であるため、ある程度、評価の基準が成果主義になるのは致し方ないことなのかなと思っています。

そのうえで、アウトプットに対して、いつまでにこのレベルの業務を仕上げてくださいという指示のしかたに必然的になっていくこともあり、管理者目線だとタイムマネジメント力を重視するという声が多かったのではないかと思います。

一方、若手の社員はもっとスキル面で教わりたいことがたくさんあるはずで、基本的な業務など、タイムマネジメント以前に身につけなければいけないことがあるはずだと思っているのがそのまま数字に表れているのかなと思います。


ちなみに、トランスコスモスの若手社員はタイムマネジメントはできていると思いますか?


現在もいろいろと試行錯誤はしていて、例えば、トライアル的に一部の社員に協力してもらいPCでメインで使用しているアプリケーションは何か、そのアプリケーションを何時間使用しているか、などデータ収集などをしています。

ですが、やはり最終的には自身が立てた目標にコミットしてもらい、その実現に向けて頑張ってもらうという方法になってしまいますね。

もちろん、在宅勤務になってからは1on1などをする機会も増えていて、出来る限り若手社員の目標達成に向けた手助けはしています。


UUUMの若手社員が特に身につけたほうがいいと思うスキルは何かありますか?


対面でのやりとり、クリエイターとの会話など、コミュニケーション能力や社内外を含めた調整能力はどうしても経験を積まないと上手くならないので、そのあたりは力をつけていってほしいですね。


社員に意識して伝えてきたことはありますか?


日々の業務連絡や、業務内容の落とし込みなどの伝達はどうしても人によって差が出るため、どうすれば相手により正確に伝わりやすいかを意識して伝えてほしいと話していました。


UUUMは業態上、企画書の作成や動画の編集技術は必須スキルなのではというイメージがあるのですが、実際のところどうですか?


動画の編集スキルは特定の職種以外は必要ありませんが、画期的な体験を提供するために、そしてより多くの人に感じてもらうために、伝え方や表現方法といったスキルは必要ですね。


最近は在宅勤務をする人も徐々に増えてきていますが、その一方で、巷では部下の管理やチームのマネジメントがしづらくなっているから出社しなさいという指示が飛び交っているという話もよく聞くのですが、このへんのコントロールってやはり難しいものなんですか?


うーん、そうですね。やはりコントロールは難しいとは思いますね。管理するほうもされるほうもお互いに慣れていないということもあるでしょうし、先ほど所さんも仰っていたように、アウトプットでしか見えてこないことも多くあるので。

そういう意味では、UUUMではクリエイターのマネジメント業務をしている社員はPCを触らない時間も多く、どこで何をしているのかを完全に把握できるわけではないので、成果をもとに社員を信じるしかないという部分はありますね。


それこそトランスコスモスは社員も多くて管理も大変なのでは?


私の部隊(部下)は2000名ほどいるので、大変ですね(笑)


2000名ですか・・・。部下が1人の状態でも、てんやわんやしている私からすると、とてもじゃないですが考えられませんね。

ここまでのお二人の話を伺うと、やはり今のトレンドでは成果主義をメインにしつつ、出来るだけツールで解決できる仕組みを整えてあげる、あとはもう頑張ろうとしか言えないのかもしれませんね。


乱立するツールをいかに活用するか

次はツール系の話をお聞きしたいのですが、最近はもうクラウドのツールが乱立していてすごいことになっていますよね。そのなかでも導入していてよかったものってありますか?


私は具体的にサービス名を挙げて言うのであれば、ズバリ「Slack」ですね。

2019年からSlackを使っていたんですが、今年は2000人が1か月くらいの間に一気に在宅勤務になったこともあり、改めて意思の疎通の大切さを実感できたのがSlackでのやりとりがあったからでした。正直、Slackが無ければ在宅化も失敗していたのではないかと思うくらい、評価しています。


ちなみに2000人規模のSlackのチャネル管理ってどうしてるんですか?


専門チームがいるので、そちらに管理を任せています。いろんなチャネルに追加されるので追い付かないこともあるのですが極力、目を通すようにしています(笑)


Slackの機能で、もっとこうなればいいなと思うところはありますか?


タイミングによっては重要な内容を見落としてしまうことがあるので、通知機能がもう少し充実しているとありがたいですね。

あとはスマホのUI、UXがもう少し改善されると更に使いやすいかなと思います。具体的に言うと、PC側で対応し終えているタスクがスマホ側では未対応の状態で残っていたりと、タイムラグがよくあるのが悩みどころですね。あとは未読のコンテンツが正確に表示されなかったりすることもあって、それが重要な内容だった場合は困ってしまいます。


なるほど、梅景さんはいかがでしょうか。


リモートワークやフレックス制度を導入したこともあり、利用の頻度が増えたのは「タレントパレット」ですね。

特にUUUMは業態上、新入社員が多いので、事前にプロフィールを登録することでお互いを把握しやすくなりますし、会話をスタートするキッカケ作りにもなっています。

また、1つの場所に集まって行っていた研修なども、どんどんEラーニングで受講できるようになりました。


やはりデジタルで社員の見える化をするのは重要なんでしょうか?


そうですね。コミュニケーション力の向上という話が先ほどありましたが、ミーティングなどをするにも多部門の社員がそこで初顔合わせをするといった機会が増えたので、この人がどういう人なんだろうという情報が事前に知れるようになることで、円滑にコミュニケーションを図ることの手助けになりました。


より効率的にデータ活用をするために

次にデータ活用という視点お話を伺っていきたいのですが、一例としてriclinkの活用事例をいくつか挙げると、お客様への最終提案書・見積もり書を動画に貼り付けて共有すると、お客様が社内で共有検討してくれているかを確認することができます。

また、イベント後のエンゲージメント率や、資料がどれだけ活用されているか、どのくらい見られているのかなども知ることができるので、次の戦略を立てやすくなります。

そして受注が増加している企業ほど、こういった分析や活用ができているというデータが出ています。

これまでのBtoBにおけるセールスマーケティングの数値化というと、どうしてもCPA(Cost per Acquisition)や、ページビューといった定番のデータを重視しがちでしたが、これからはもっと違ったデータも見ていかなければいけないのだろうと思います。

そこでお二人にお聞きしたいのですが、データを活用することはもちろん重要だと思いますが、そのなかでも特に今後売り上げを上げるためにどんな点を数値化し、分析するのがよいと思いますか?


トランスコスモスは新型コロナウイルスが流行する前までは、営業マンがとにかく足で稼ぐといった昔ながらのセールスを得意とする会社でしたが、近年の働き方改革などへの取り組みも含め、いまは営業1人1人のレベル感や成果をどのように数値化するか、また、数値化されたものをもとに、どういったKPIを設定すべきか、といった評価システムを確立するために、どんなデータを収集し、それらをどう活用すべきかを試行錯誤しています。

また、カスタマーサポートの現場などでも、感情面でのデータをどうにか取れないかと思っていて、例えば、お客様がカスタマーサポートに電話をして疑問が解決されたとして、評価としては「満足した」だったとしても、それが疑問が解決されたことに対する満足だったのか、カスタマーサポートの対応なども含めて、極端に言えば「あなたと会話出来てよかった!」と思ってもらえるほどの感動が得られたから満足だったのかでは大きな違いがあると思うんです。


最近は大手企業もCXを重視する動きが広まっていて、VOC(Voice of the Customer)を活用してお客様の声をデータ化するという話もよく聞くんですが、そういったこともされているんですか?


そうですね。トランスコスモスは業態的にVOCが多く集まる環境なので、当然そこはサービス面などに反映しています。

ただ気を付けなければいけないのは、VOCをもとにCXを向上させるためには、どういったデータが必要なのかというゴールから逆算してお客様と会話しないと、データを集めたはいいけれど結局有益なデータがほとんど無かったということにもなりかねないので、きちんとゴールを設定してから実行に移さないといけないということですね。


なるほど。対してUUUMはおそらく多くの方が「YouTubeの動画データがまさにそれだろう!」と思っているはずなのですが、実際のところってどうですか?


所さんの話に似た部分はありますが、やはり取れるデータは多くあれど、それをどう活用するかを見極めるのが一番難しいですね。

感覚値としてこの人はこの分野が得意だろう、これは苦手だろうというのはあるものの、全社員のスキルレベルの底上げをするためのノウハウの横展開などをするような仕組みは必要だと感じていますし、それをやろうと思っても何から始めればいいか悩ましく、なかなか難しいなと感じているというのが正直なところです。

また、セールスをしているなかで言うと、クライアント企業がいまどういう状態にあるのか、直近で広告の出稿予定などはあるのか無いのか、と言った情報が分散しているので、それらを集約しなければいけないというのが課題ですね。


特に広告予算や出稿の本数といったところはコロナ禍における影響があったと思いますが、見込み顧客の管理やアカウント情報のプロファイリングなどから、予算の有無などをデータ化されていたんですか?


実はデータとしては以前からずっとあったんですが、うまく活用できていなくて。新型コロナウイルスの影響が出始めたことによって、そういったデータを今まで以上に活用しなければいけないよねという意識が芽生えたというのが正直なところです。

また、動画ビジネスやインフルエンサーマーケティングはすごく注目されている事業でもあるので、いいお話も多く頂けていたんですが、それを活用しきれていなかったという気付きもありました。コロナ禍になって初めて、ふたを開けてみたらこんな武器があったじゃないかと気付くことがしばしばありましたね。


今後の戦略を考えたときに、何をするのか、何が必要なのか、ツールはどうするのか、など選択肢は無限にあると思うのですが、体験価値を上げていきましょうという話になったときに、サービスのあり方や、お客様対応、デジマ、CXなど、何を一番重要視すべきだと思いますか?


私はCXを最重要視しています。先ほども言いましたが、感情的な満足度をどうやって上げていくかを模索していて、まずはBtoBのお客様としてのクライアント企業がいて、更にBtoBtoCの、つまりクライアント企業のさらにその先のお客様にも満足してもらわなければいけないということを考えたときに、大切なのはまず従業員や社員に余裕があることだろうと思っています。

常に目一杯の業務量を抱えていると、ちょっとした付加価値をつけようという心の余裕すら生まれませんよね。適正な稼働管理と、市場価値に見合った適正なお給料を従業員にお支払いしなければ、そもそもCXの向上なんていう思考は生まれないと思いますし、逆に、従業員や社員が気持ちよく働ける環境を作ることができれば、自ずとCX向上への近道になるだろうと考えています。


なるほど、それは確かにありますよね。一方、梅景さんには現実問題といった質問をさせていただきたいのですが、数年前までは営業が自分の足で毎日訪問して、裏どりのために電話して、また明日も行って、ということが通用していたと思いますが、それが通用しなくなった現代では、どんなことに注力し、気を付けるべきだと思いますか?


重要なことは多々あるとは思いますが、例えばUUUMのビジネスだとワクワクしてもらえるか、面白いと思ってもらえるかがすごく重要で、コンテンツなどにワクワク感が見えてこないと結果も数字に表れてこないので、数字の分析や視聴者満足度はもちろん重要であるという大前提のもと、いかにワクワク感を提供できるかという発想の部分もものすごく重要だと思っています。


ワクワク感や期待感を伝えるために工夫されていることはありますか?


必ず私たちの営業資料のなかには、過去の事例を含めた動画であるとか、イベントの映像であるとか、資料に追加して視覚的に訴えかけるものを取り入れています。


なるほど、やはり「動画は資料である」という考え方は近年のスタンダードになりつつあるんですね。


ここから先、BtoB戦略で特に注目したいジャンルや技術は?

引き続き、戦略的なお話を伺いたいのですが、BtoBの戦略としてセールスマーケティングやカスタマーサポートなど様々な戦略があると思いますが、特に注目したいジャンルや技術はどのようなものがありますか?


今で言うとVRなどになるのかなという思いもありつつ、ボットを如何に活用できるかということにも注力していきたいですね。

CX向上のために必要なことは、まずは社員や従業員の心に余裕があることだと述べましたが、やはりコールセンターで感動を与えられるほどの素晴らしい対応をしようと思ったら、オペレーターの心にも余裕がある状態じゃなきゃダメかなと思うんです。

それで、余裕がある状態とはどういうことかを考えると、よくある質問や答えのないクレームなどは全てオペレーターの手前でボットが対応できればいいんじゃないかと思っていて、お客様の目線で考えると、正解がもらえればいいという方はそこである程度の満足感は得てもらえると思いますし、そこから先の感情的な満足感を高めるという意味では、ボットの回答で満足できなかった、答えが見つからなかった、といった方に対し、コールセンターでホスピタリティの高いサービスを提供することができればいいなと。オペレーターも簡易的な応対をボットに任せられるぶん、お客様1人1人に時間をかけて応対することができます。

なので、そういった意味で今の(従来の)形式のコールセンターを変えたいという強い思いはありますね。


マイクロソフトがやっている女子高生AIのりんなちゃんだったり、AIのボットってなんかこう、世間的に綺麗なもの、完璧なものを求めすぎなんじゃないかと個人的には思っているんですが、そのあたりってどう感じられていますか?


そうですね、確かに人間ができていないことをAIに求めすぎているというのはあると思います。
会話も完璧に成り立っていないといけないという考え方は多いように感じていますが、私はボットから返ってくる返事は、質問の答えが分かればいいくらいだと思っていて、それよりももっと力を入れるべきなのは、質問の仕方が分からない、検索リテラシーがない、キーワードが正確に伝えられない、といった方にも答えを提供できるようにすることのほうが重要かなと思います。


梅景さんはBtoB戦略で特に注目したいジャンルなどは何がありますか?


VRやARは私たちクリエイターの身近にあるものなのですごく注目しています。ここ数年で注目度は高まりましたが、実際に上手く活用できているのは、すぐに思いつくところだと旅行系や不動産まわりくらいのように思います。例えば旅行系で言うと、実際に現地に行かなくてもVRで行った気分になれるとか。このあたりの業種はVRの活用などで今後さらに変わってくるのかなと思いますね。

あとVTuber(バーチャルYouTuber)ですね。従来のYouTubeでは広告ビジネスが中心でしたが、それに対してVTuberはファンからの投げ銭などがメインで、どちらかというとファンビジネスの要素が強いんです。なので全く同じ映像を流してもVTuberによってビジネスモデルが異なるので、VTuberの人数分の可能性があるんです。


ちなみに、BtoBマーケティングの戦略動画内で実際に人が話すよりも、私のようなビジネスバーチャルキャラクターが話すほうが良いからという理由で動画出演のご依頼を頂くことが増えてきたんですが、実際のところ営業の方が話すのと、キャラクターを通して話すのとでは受け止め方って変わりますか?


やっぱり権野さんを見ていて思うのは、キャラが立つっていうのは魅力的だと思います。

キャラに愛着があったりとか、このキャラの話なら聞いてみたいとか、感情的な部分で人を惹きつける要素というのは、実際の営業の人が話しているよりも興味・関心をひくポイントになるんじゃないかなと思います。


実は、営業の方が話した動画だと役員陣からOKが出なかったのに、キャラクターが話した動画だとOKが出たという話も何回か聞きまして。それは許可をする側の立場としては所さんはどう思われますか?(笑)


うーん、なんとなくですけど、VTuberが一生懸命、話してくれたらそれに賛同しないわけにはいかないというか、頭ごなしに却下してしまうと理解力の無さというか適応力の無さを指摘されるんじゃないかっていう怖さもあるんじゃないですかね(笑)

あとは、たどたどしく営業の人が緊張して話している様子を見るよりも、キャラクターに話してもらうほうが内容に集中できる、安心して見ていられるというのもあるのかもしれないですね。


なるほど、それは確かにあるかもしれないですね。

では、終了のお時間も迫ってきているので最後に手短にお聞きしたいのですが、今回このセミナーに参加されている方のなかには、「まさにお二人が営業のターゲットなんだ」という方もきっといらっしゃるんじゃないかと思うのですが、ズバリ、お二人から契約を取るにはどうすればいいですか?


会社の理念にも「コドモゴコロ」とあるように、ワクワクするような、私たち自身も楽しめるような仕事をしたいと思っていますし、比較的柔軟に物事を考える社風でもあるので、何か決まったものをご提案いただくよりも、様々な角度からご提案いただくほうがいいかもしれません。どこで何が引っかかってご縁があるか分かりませんから。

あとはインフルエンサーを多く抱えているので、インフルエンサーの可能性を見出すとか、もっと輝かせるような提案があると前向きに考えられるのかなと思います。


今は会議システムなどを活用して実際に会わずとも会話ができるという環境が整い始めているので、動画を上手く使ってプレゼンテーションしていただけると魅力を感じるかもしれません。

動画は液晶で見るのが当たり前ですけど、会議を液晶越しにするとなると、やっぱりまだ心のどこかで抵抗があって。それを動画で表現してもらうことで心の抵抗が少し払拭されるというか、自然と見入る体勢になりやすいんです。


プレゼンテーションの際にものすごく長い提案資料を出されたら、見られますか?それこそ30ページくらいの。


見ないですね(笑)

というのは冗談ですが、やはり情報量が多いと資料を見ただけでは分からないというのが本音ですね。なので、事例とか効果が判断できるポイントが短くまとまっているほうが見やすいです。

そういう意味では短尺のそれこそ2~3分くらいの動画でポイントを説明してもらうだけでも、すごく効果的だと思いますよ。


本日は短いお時間でしたが、たくさんお話を伺えてとてもためになりました。所さん、梅景さん、ありがとうございました!

質問回答コーナー

本編ではお時間の都合上、ご参加いただいた方からの質問にお答えできなかったのですが、実は多くのご質問をいただいておりますので、そのなかからいくつかピックアップして、延長戦として質問回答コーナーを設けさせていただきました。ということで、さっそく1つめの質問です。


Q.対面での会話などで情報が取りにくくなった昨今、お二人の情報収集源は?

予め指定したキーワードに関するニュースなどがあればSlackに流れてくるようにしています。

あとは事業の成長に必要そうなものや、おもしろそうな情報が耳に入った時には、それに関連するサービスを提供している企業さんから情報を取り寄せたり、テレカンをセッティングしてもらったりしています。そういう意味で言うと、以前までの訪問もしくは来社といった方法は減ったので、時間効率はすごく良くなりましたね。


私は政治的なものからテクニカルなものまで、雑多的にいろんなニュースサイトを見て情報を集めています。

あとは資料の問い合わせとかフォームから申し込むタイプのものはバンバン連絡していますね。以前までは日程調整などが大変だったことも多かったのですが、今は30分くらい時間があればテレカンでサービス説明などしてもらえるので気軽に問い合わせています。


 やはり情報収集源はみんな似てきますよね。では次の質問です。


Q.ここ最近で導入したクラウド系のツールで便利なもの、面白いもの、また今後導入予定のものなどはありますか?

ここ最近ですか・・・。うーん、特にこれというものはありませんね。ツールも単体でどうこうというより、API連携など組み合わせ方ですごく便利になるので、今は何と何を組み合わせたら便利かという情報を集めているのがメインです。


私も梅景さんと同じで、直近でこれというものは無いですね。

というのも、特に意識して使っていたつもりはなかったんですが、このコロナ禍になってまわりの企業の実態も見聞きして、そこで初めて「自社はクラウド系のツールをそこそこ使えていたんだな」と実感したんです。なので、今はそれらを更に効率的に活用するにはどうすればいいかを考えているところですかね。


ありがとうございます。では最後の質問です。


Q.営業がセールスで動画を活用するにあたり、意識すべきことはなんですか?プロモーション動画しか持っていないのですが役に立つと思いますか?

プロモーション動画しかないと、動画のあとに、このサービスで実際に何ができるのか、どういうところが便利なのかを説明しなければいけませんよね。それと、短尺で1本で動画を作ろうと思うと、どうしてもプロモーションっぽくなってしまうので、動画を機能ごとに分けるなどして、ポイントを絞って内容が分かりやすいものになるように工夫する必要はあると思います。


私も機能ごとなどで切り分けたほうが分かりやすいと思います。サービス内容のどの部分が知りたいのかによってピンポイントで情報を得ることができますから。加えて、サービスの説明に偏ると分かりにくい動画になってしまうので、そのサービスを使った結果、どういう効果が出るのかなども含めて、分かりやすく伝えられるようにしたほうがいいと思います。

あともう1つ言えるのは、その動画を見てもらった結果、どういう反応が得られたのかを分かるようにしておくと良いですね。


個人的には、広報、PR目的以外のコンセプチュアルな動画って必要ないような気がするんですが、お二人はどう思われますか?


いらないと思います(笑)

それこそYoutubeに上がっているような動画でいいと思います。見た目が綺麗なものはあまり求められていなくて、欲しい情報がそこにあるかどうかのほうがよっぽど重要だと思いますね。


ですよね。昔は確かに「見た目がカッコいい!便利そう!とりあえず入れてみよう!」っていうノリがあったように思いますが、今はもうそういう時代でもありませんよね。梅景さんはどう思われますか?


本当に仰る通りだと思います(笑)

クオリティの高い販促動画よりも、事例や導入企業の声など、現場の生の声のほうが理解しやすいというか、共感を生むと思います。


お二人ともありがとうございました。これで頂いたご質問には大まかにお答えできたかと思いますので、延長戦も終了とさせていただきます。今回はセミナーにご参加いただき、ありがとうございました!


イベントは終始、和やかな雰囲気で進み、大盛り上がりのなか終了時間を迎えました。経営陣目線の会話には今後のビジネスシーンを勝ち抜くためヒントがたくさんありました。



ダイジェスト動画はこちら


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

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