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2020年はプロセスマイニング!その導入と活用法とは?

デジタルトランスフォーメーションが推進され始め、企業活動の多くがデジタル化。システムに様々なデータやイベントログが蓄積されるようになりました。

その膨大なデータを活用し、プロセスの再設計・効率化・改善していくことを「プロセスマイニング」と呼び、2018から欧米で普及。日本でも「RPAの次はプロセスマイニング」「2019年はプロセスマイニング元年」と言われ始めました。

トランスコスモスでも2019年12月、関連子会社であるトランスコスモス・アナリティクスでプロセスマイニングツール最大手Celonisの導入・活用支援を開始。

まだまだ謎の多いプロセスマイニングの導入と活用方法について話を聞きました。


■インタビュイー

2020年はプロセスマイニング!その導入と活用法とは?_桝谷さんアイコン

桝谷 淳志

トランスコスモス・アナリティクス株式会社 DECode推進部 2課


目次[非表示]

  1. トランスコスモス・アナリティクスについて
  2. いま話題のプロセスマイニングとは
  3. Celonis選定の理由とCelonis×DECサービスで生まれるシナジー
  4. 導入のポイントや事例
  5. 新たなものを恐れないことが大事

トランスコスモス・アナリティクスについて

----はじめに、トランスコスモス・アナリティクスについて教えてください

トランスコスモス・アナリティクスは、2012年にトランスコスモスの調査・分析専門会社として設立されました。

ビッグデータ・AI時代に必要な「分析力」と、データの持つ価値を企業の運用現場の生産性や顧客満足の向上につなげる「現場力」、それらをあわせ持つ専門人材を育成することが私たちのミッションです。

調査、分析、運用ノウハウ、データベース技術を融合したサービスを提供し、クライアントの知的生産活動の効率化と新たな価値創造の実現を支援します。

激変するマーケティング環境に柔軟かつスピーディに対応し、クライアントの収益拡大と顧客満足の最大化を目指しています。


  トランスコスモス・アナリティクス ネットからリアルまで企業と消費者をつなぐ全チャネルをITアウトソーシングサービスで支えるトランスコスモス・アナリティクスのホームページです。コールセンターサービスを提供します https://www.trans-cosmos.co.jp/transcosmos-analytics/


----どのようなサービスを提供していますか?

大きく調査部門、アナリティクス部門、インフラ(DB)部門があり、「データ収集」「データ分析」「データ活用」に関連するサービスを提供しています。


2020年はプロセスマイニング!その導入と活用法とは?_01

トランスコスモス・アナリティクス株式会社 サービス紹介ページより抜粋


トランスコスモスと連携することで、ユーザーの心理・行動データの収集や調査、収集したデータの分析、そしてその結果をもとにクライアントに対して最適なサポートを行うまでの一連の流れをワンストップで提供できるのが強みです。


2020年はプロセスマイニング!その導入と活用法とは?_02

ユーザーの心理・行動データを収集し、そのデータをもとに最適なサービスを提供

いま話題のプロセスマイニングとは

----トランスコスモス・アナリティクスが導入した「プロセスマイニング」とはなんですか?

一言でいうと「業務プロセスや顧客行動を可視化し、プロセスの問題発見・効率化をサポートする手法」です。

具体的には、自社製品の受発注から納品、お金を回収するまでの流れや、カスタマーがWebサイトを訪問してから、Webサイト内の各ページを回遊し、最後に購買もしくは離脱するまでの流れなど、業務において発生するログデータを分析してそのプロセスを目に見える形にすることでプロセスのどこに問題があるのかを具体的に特定できる技術だと思っていただければ良いです。

これまでもアクセス解析ツールなどを用いて問題点を探ることは出来ましたが、とある事象に対してピンポイントでしか分析できなかったため、業務における連続的な出来事をそれぞれ点でとらえることしかできませんでした。それがプロセスマイニングツールを用いることで、点と点を線で繋げて見ることができるようになるので、問題が発生した箇所の前後関係まで把握しながら、どう対応していくべきなのかが視覚的に分かりやすくなります。

ちなみに、プロセスマイニングはオランダで生まれた技術で、2010年ごろからドイツをはじめとする欧州全土で使われるようになっていきましたが、グローバルで見ても認知度は低く、日本でもほとんど普及していません。


----プロセスマイニングでは具体的に何ができるのですか?

出来ることは多岐にわたるので、まずは分かりやすい事例を1つ紹介します。

りそな銀行様では日々のコールセンターでの対応に関して、FAQのとある内容についての問い合わせが突出して多いことに悩まれていました。

実はその問い合わせに関する内容は、ユーザーが自宅のPCやスマホアプリを利用することでも解決できるのですが、実際にはその案内のほとんどをコールセンターで対応していました。

そこで、原因を探ってみると、なんとFAQやホームページにはPCやスマホアプリでも手続きが可能であることが記載されていませんでした。

そのため、早急にFAQとホームページを改良したところ、呼量が大幅に削減され、スマホアプリのダウンロード数も飛躍的に伸びました。

呼量が減ればそのぶんオペレーターの人数も削減できますし、自然とスマホアプリがダウンロードされる仕組みができたので、あえて広告宣伝費を投入してスマホアプリのダウンロード促進をする必要もなくなります。

結果として、この事例では大幅なコストの削減に成功しました。


  りそな銀行、トランスコスモスと「プロセスマイニング」を用いたホームページの提供について りそなグループのりそな銀行(社長 東 和浩)とトランスコスモス株式会社は、お客さまの利便性向上を目的にプロセスマイニングを運用した、ホームページの提供を4月より実施いたします。 https://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/200331.html


今回ご紹介した事例は「コスト削減」に注目した内容でしたが、もちろんこの他にも「CS(顧客満足度)向上」「ES(従業員満足度)向上」といった、多くの企業が抱える課題を解決するのにも役立ちます。

例えば、先の事例と同じような悩みを抱えている企業があるとします。

みなさんも一度はカスタマーセンターに電話をかけたが、混みあっていて長時間待たされるといった経験をされたことはありますよね。そのうえ、やっと繋がったと思ったら担当部署をたらい回しにされたり、後日回答を聞くためにまた電話がかかってくるのを待たなければいけなかったりと、とにかく面倒なことが多いという印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

それがアプリなどを使用することで、自身ですぐに解決できるのであれば、自ずと顧客満足度は上がるはずです。

それに、ユーザーからの問い合わせを対応するオペレーターにとっても、1時間あたりに対応する件数が減れば物理的に余裕をもって仕事ができますし、1日に同じ質問が10件来ていたのが2,3件程度になったとなれば、1件1件の問い合わせにも新鮮な気持ちで取り組みやすく、悪い意味でのルーティンにもなりにくいです。

また、業務プロセスの改善・最適化を行うことで、人的リソースを無駄なく活用できますし、自動化できそうな業務が発見できれば、クリエイティブな業務は今まで通り人間が行い、チャットサポートやルーティン化した入力作業などをRPAなどに任せるといった適材適所の働き方ができるようになれば、従業員にとってより働きやすい環境を整えることも可能です。

さらに、従業員1人あたりの生産性の向上や、無駄な業務が減れば残業時間の削減や長時間労働の抑制にも期待できますから、「業務効率化」「働き方改革」にも繋がります。

これは他の事例にも言えることなのですが、実は悩みの種の原因は案外簡単なことだったりします。

しかし、それはユーザーや従業員が目的を果たすまでの間にどのような道筋を辿っていき、そして最終的に目的が果たせたのかどうかまでが全体図として一目で分かりやすく可視化できているからこそ、気付けるのです。

従来のように、解析ツールで想定される要因を地道に1つずつ探っていく方法では、原因の特定に時間がかかるのは言わずもがなです。


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指折り数えながら丁寧に説明してくれる桝谷さん


---- RPAというワードが出ましたが、プロセスマイニングとどういった関係があるのですか?

RPAは人手不足を解決したり業務効率化を実現するためのツールとして大変注目され、多くの企業がその流れに乗って導入したようですが、実際のところ社内の業務の何が自動化できるのか、どこをRPAに任せれば最も効率的なのか、そのあたりがよく分からないままとりあえずRPAを導入してみた結果、いまいち利便性を実感できないまま結局使われなくなってしまったという話を聞くことがとても多く見受けられます。せっかくの便利なツールも正しく使えなければ真価を発揮できません。

そこで、業務プロセスを見直し、RPAに任せられる業務を可視化するためにも、まずはプロセスマイニングで事前分析をするのが良いのではないでしょうか。

そもそも問題が発生しにくいような仕組みに作り替えましょう、現状の仕組みを見直しましょうという根本的な部分を改善してからでないと、RPAの良さを100%活かすことはできません。

Celonis選定の理由とCelonis×DECサービスで生まれるシナジー

----数あるプロセスマイニングツールのなかでCelonisを選んだのはなぜですか?

Celonisを選定した理由は汎用性が高いことです。データさえあれば常時いつでも運用開始できますし、用途にあわせたカスタマイズがしやすいというのが大きかったです。

いくつかのツールの特徴を見比べた結果、Celonisを使用することで更にカスタマージャーニーに応えられ、ボトルネックの発見などにも使えるのではないか?と思い、検討を始めたのがちょうど1年前のことです。

結果として、Celonisを導入したことで自社業務プロセスの全体が可視化でき、期待通りの効果が発揮されたので本格的に運用を開始しました。


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コンバージョンに至るまでのユーザーの動線


----Celonisとのパートナーシップを結んでいる企業を見るとコンサルティング企業が多いようですが、トランスコスモス・アナリティクスの強みはなんでしょうか?

トランスコスモスはグループ全体で幅広いサービスを提供していますので、様々な業界のデータやマーケティング領域でのノウハウを持っています。そのため、ユーザー視点を持ちつつデータの収集や、分析した結果をもとにコールセンターやBPOなどの様々なサービスに活かすまでのフォローがワンストップでできるというのが強みです。



Celonis導入までのフロー


このことはCelonis 共同CEO 兼 共同創業者のアレキサンダー・リンケ(Alexander Rinke)氏とお会いした際に「感銘を受けた」と言っていただけましたし、あわせて「Celonisはコスト削減に関する事例は多くあったが、収益をあげるような使い方の事例はなかった。これを具体的に可視化できるのは素晴らしい。是非ともマーケティング領域の事例を作っていってほしい。」と絶賛もしていただきました(笑)


----プロセスマイニングツールを使った新たな取り組みなどは考えていらっしゃいますか?

プロセスマイニングツールについては引き続き検証を兼ねてカスタマイズをしていて、今はマルチチャネルを経由したアクセスの解析をしたいと思っています。例えば、トップページに入って、そこからFAQに進んで、更にチャットツールを利用したけれど問題は解決されず、最終的に電話がかかってきた、あるいはFAQを見た結果、商品の注文があった…など、詳細な行動分析をしたいですね。

あとは大きなコールセンターで複数拠点での展開をした場合の連携、エスカレーションフロー、コールの内容によって転送されたものがどこに行くのか、なども分析したいと思っています。


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人の目で確認できるようになると問題の発生箇所が全体像から一目瞭然


----プロセスマイニングツールを導入する際の注意点などはありますか?

事前に理解しておいていただく必要があるのは、プロセスマイニングツールは決して ”ツール入れれば翌日にはすぐ結果が出る” というものではないということです。

WEBのアクセスログの分析にはID(cookie)、アクティビティ(踏んだURL)、タイムスタンプ(西暦何年、何月、何日というデータ)の3つが必要なのですが、分析をする際にある程度URLをカテゴリーごとにまとめておかないとアクティビティが膨大になってしまうのです。これをそのまま図にしてしまうと全体像がゴチャゴチャしてしまって、何が何だか分からなくなってしまうので、きちんと分析設計をした分析したい内容に合わせてデータの前処理をするのが分析の肝になってきます。

そのために分析目的によっては、複数のデータベースからデータを集めてきて、データの粒度を大きくしたり小さくしたりと、トライ&エラーを繰り返して分析の精度を高めていく必要があります。

これをおおよそ3か月1セットで3~4回くらい行う必要があるため、効果が目に見えるまでは少し時間がかかります。


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「特にデータの粒度設計にはかなり試行錯誤しましたね」とのこと

導入のポイントや事例

----導入しやすいケース、逆に導入までに時間がかかるケースなどを教えてください

分析するためのデータがすぐに用意できる(もしくは既に存在している)のであれば導入自体に時間はかかりませんが、それがない場合はまずはデータを蓄積することから始める必要があります。あとは、新しいツールに対して拒否反応がないというのがポイントかもしれません(笑)

効果検証などで繰り返しツールを使うことになりますから、ツールをある程度使いこなす必要があります。積極的に使えば使うほど利便性を感じてもらいやすいので、まずはとにかく使ってみるというのが大事です。

とは言え、そこまで専門的で難しい操作が必要というわけではないので身構える必要はありませんし、トランスコスモス・アナリティクスでは、操作やデータの取捨選択などに不安を感じられている方のために教育研修プログラムなどをご用意しています。

新たなものを恐れないことが大事

----最後に、これからのビジネスシーンについて一言お願いします

日本の企業はまだまだ社内のデータを収集して、それらを繋げて、そして全体像から課題を抽出するということができていません。

日本の労働人口は減少期に入っており、これからいかに労働力を確保するかといったニュースも多く見聞きするようになりましたが、データ活用を正しく効果的に行うことで、人手不足などの問題を解消することも可能です。

だからこそ、これらの便利で新しいサービスが出てきた今このタイミングで、新たなものを恐れずに積極的に取り入れていく風土がもっと拡がればいいなと思っています。


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「これからのビジネスシーンを予測し、先手を打つのが大事なのです!」と力強い一言


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部

ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

trans+(トランスプラス)に掲載しているコンテンツや、サイト内で紹介したサービスに関することなど、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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