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コンタクトセンターにおける品質管理の課題と解決策とは?! プロが語るポイントを大公開!2/2

コンタクトセンターの品質向上が重要視されてきている昨今、なかなか検討できず手を出せていないご担当者様も少なくないのではないでしょうか。

この記事の前編では「本来目指すべき品質管理」についてお伝えしましたが、後編ではトランスコスモスで10年以上コンタクトセンターの品質改善に携わっている富澤氏に、品質管理をどのように実施することで効率的に・効果的に品質向上を目指すことができるのか、お伝えしていきます。

※ この記事は、2回に渡ってお届けしております。


【インタビュイープロフィール】


富澤 美奈子


2000年にトランスコスモスに入社。
3年間はお客様企業先に常駐し、テクニカルサポート業務に従事。
2003年から、教育研修グループにてコールセンターの品質管理と人材育成を担当。
2012年~2015年まで、社外向けにコンタクトセンターのコンサルティングサービス業務を担当。
その後2018年現在まで、コンタクトセンターの品質管理と人材育成を主に担当。
2013年、国際認定オーディタ資格取得。
2018年度、CCAJスクール(日本コールセンター協会)講師を担当。


目次[非表示]

  1. トランスコスモスの「品質管理」への考え方
    1. ベンダーと企業、タッグになって挑む「品質改善」
  2. 目指すは品質管理の効率化! ITソリューションとの融合によるコンタクトセンターの未来
    1. 「IT×ヒト」による、コンタクトセンターの業務効率化

トランスコスモスの「品質管理」への考え方

ベンダーと企業、タッグになって挑む「品質改善」

――「品質管理」も含め、トランスコスモスがコンタクトセンターの改善に取り組む際、どのような点を重視しているのでしょうか?


  富澤

お客様企業とのコミュニケーションが重要だと考えています。

アウトソーサーである我々がはじめに考えなければいけないことは、「お客様企業が、何を大切にしていて、我々に何を期待しているか」「お客様企業がどのような部分を重要だと考えているのか、どういったこだわりがあるのか」といった部分の把握や、状況の整理であり、それらを明確にするためには、現状をよく知っているお客様企業とのコミュニケ―ションが必要不可欠です。

実際にあった現場を例にあげると、過去に他ベンダーが立ち上げ・運用行っていたコンタクトセンターの改善を当社にお任せいただくことになった際、現状把握のために分析を行ったところ、お客様企業の要望が全く反映されておらず管理者とオペレーターの関係性にも溝があるという、コンタクトセンターとして非常に悪いコンディションの現場であることが判明しました。

幸いそのお客様の場合は、そのような現状に強い危機感を抱いておられたこともあり、改善施策もある程度順調に進んでいます。しかしながら、長年現場を担当していたメンバーへの再教育など、是正にどうしても時間がかかってしまう部分もあります。

そのような問題のあるコンタクトセンターが生まれてしまう原因は、ひとえにコンタクトセンター立ち上げの際のお客様企業とのコミュニケーション不足にあると考えています。「お客様の企業としての方針」「コンタクトセンターに何を求めているか」という点を踏まえた立ち上げができていれば、そのような状態にはならなかったのではないかと感じています。

この事例は、コンタクトセンター運営全体の話ではありますが、品質への課題という部分にフォーカスしても、重要な部分は同じです。お客様企業との対話から、課題を感じている現状を細やかにキャッチアップすることこそが、コンタクトセンターの品質改善の糸口をつかむ最良の方法だと考えています。

また、品質改善というのは、ベンダーとお客様企業が二人三脚で取り組んでいくからこそ、効果の見えてくる部分でもあります。そういった意味でもやはり、密なコミュニケーションが重要ですね。


コミュニケーションを第一に考えている富澤氏。
インタビュー中も、わからない部分など、懇切丁寧にご説明いただきました。
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目指すは品質管理の効率化! ITソリューションとの融合によるコンタクトセンターの未来

「IT×ヒト」による、コンタクトセンターの業務効率化

――今回お話を頂きました「コンタクトセンターの品質管理」も含め、今後、コンタクトセンターがどのように進化していくのか、コンタクトセンターの未来の理想像や展望などありましたら、是非教えてください。


  富澤

品質改善をはじめ、コンタクトセンターの業務改善というのは、非常に人的・時間的・金銭的なコストがかかってしまうのが現状だと考えています。しかし、それらを少しずつでも軽減することができれば、余剰リソースを利用して、よりコアな部分の改善へと手を伸ばすことができます。

コンタクトセンター業務の効率化のために必要不可欠となるのが、今現在我々のチームが取り組んでいるミッションの一つでもある、コンタクトセンターへの、各種ITソリューションの活用です。

現状のやり方では、どうしても人的・時間的コストのかかってしまうモニタリング評価ですが、例えば、当社が先日リリースした「transpeech」(トランスピーチ)のような音声認識ソリューションを用いることで、オペレーターの会話の評価の自動化を実現することができるのではないか、と考えています。

もちろん、音声認識機能は、完全なものではないので、まだまだ人力でのサポートが必要な部分も多いでしょうし、モニタリング評価一つとっても、どうしてもヒトの手の欠かせない業務が多くあることは事実ですが、ITソリューションとヒトの手の融合により、少しでも業務の効率化が進めば、いままで取り組めなかった課題に取り組むための余裕ができることは確かです。

様々な課題があるなかで、なかなか手の出しづらいコンタクトセンターの品質改善を、多くのお客様に、より簡単に、より身近なものであるというように感じてもらうためにも、「IT×ヒト」による効率化は、今後強く推進していかなければならない分野だと感じていますね。

浅沼 京
浅沼 京
営業、営業支援を経て、現在は社内の様々な業務に首や足を突っ込み中。最近の悩みは微妙にダサいネクタイを見つける度に、どうしても購入してしまうこと。

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