【事例資料あり】コールセンター改革!音声認識ソリューション「transpeech」(トランスピーチ)で解決する3つの課題
企業と消費者をつなぐ窓口となっているコールセンター※。その現場に、チャットbotやAIによる自動応答、ディープラーニングによる音声データの解析、CRM管理ツール等々、ITソリューション導入の波が押し寄せています。
※ コンタクトセンターとは、企業において顧客への対応業務を専門に行う事業所・部門である。 元々は、コールセンターとして外部からの電話対応業務を行ってきたが、近年、電話対応業務だけでなく、FAX、Eメール、チャットやウェブを利用した問い合わせなど、複数のメディアが使われる事になってきた為、コールセンターという名前ではなく、コンタクトセンターという名前を使用するようになった。
|
しかしながら、それぞれ必要なコスト、検討材料もまちまちのため、どこから導入をすればいいのかわからない現場担当者の方も少なくないのではないでしょうか?
今回は数あるツール・ソリューションのなかでも、近年特に注目されており、導入予定のセンターも増えつつある「音声認識ソリューション」をテーマに、元現場担当者で、現在はコンタクトセンターのデジタル導入支援を担当しているお二人に、その課題と、課題の解決策となる音声認識ソリューション「transpeech」(トランスピーチ)についてお話を伺います。
音声認識ソリューションはもちろん、コンタクトセンターのデジタル化を検討・推進中の多くの方の参考となれば幸いです。
😀 本記事の最後では、多くのコンタクトセンターが抱える「3つの課題」の解決事例を無料でダウンロードいただけます。 |
【インタビュイープロフィール】
岩浅 佑一 2004年、コールセンターのオペレーターとしてトランスコスモスに入社。20代前半からコンタクトセンター業務に携わり始め、その後マネージャー、センター長等を経験。現在は、コンタクトセンターの現場にデジタル活用を広めていく、というミッションのもと、渋谷本社のサービス企画部に所属。コンタクトセンターに対してのデジタルソリューション全般の提案や導入支援、RPAの推進など、幅広い分野を担当。 |
野田 健一 2005年、コールセンターのSVとしてトランスコスモスに入社。その後、渋谷本社にて調査分析・コンサルティング業務の営業支援やサービス企画・開発業務を経験。2016年から、コンタクトセンターでの音声認識や機械学習の活用をミッションとしたタスクフォースのメンバーを経て、現在は音声認識ソリューション課に所属し、企画や提案、導入支援を担当。 |
目次[非表示]
元現場担当者に聞く、コンタクトセンターの主な課題
――まずは、コンタクトセンターの現場で顕在化しがちな課題や、よく設定されるKPIなどがあれば教えてください
岩浅
はい。どのセンターでも課題となっていると同時に、KPIとして設定されているのは、電話対応におけるC-SAT(顧客満足度)※1 やNPS(顧客ロイヤルティ)※2 を軸にしたクオリティや、サービスレベル向上などの接続品質が主ですね。また以前よりも、よりHDI※3 やJ.D.Power※4 などの外部評価に関する話題も増えてきていると思います。
岩浅
もちろん業務の種類やお客様企業の業界によって変わるものではありますが、問い合わせをいただいたユーザーに対して、スムーズなご案内を適切なタイミングでできているか、最終的にご満足いただく形でコミュニケーションを終了できるかといった部分は、当たり前ではありますが、どのコンタクトセンターでも非常に重要視されます。
センター長時代に直面した課題を語りながら、苦い顔をする岩浅氏
※1 C-SAT(顧客満足度) = 企業の製品やサービスについて顧客がどのくらい満足しているかを数値化して表したもの。
※2 NPS(顧客ロイヤルティ) = 企業やブランドに対する愛着・信頼の度合いを数値化して表したもの。
※4 J.D.Power = 顧客満足度調査を専門に扱う調査会社。
(参考サイト:J.D.Power公式HP http://japan.jdpower.com/ja) |
――やはり、応対に関わる部分が主な課題なのですね。そうなると、直接の応対を担当するオペレーターの方々への支援などが重要になってくるのでしょうか?
岩浅
そうですね。 先に述べた課題への、ある意味根本的な課題解決策となるのが、現場メンバーに対しての環境整備です。オペレーターに求められている業務ごとに、効率化や負担の軽減など、適切なサポート体制を敷くことが、最終的な課題解決やKPI達成の足掛かりになると考えています。
岩浅
そのためには、この後ご紹介する音声認識のようなデジタルのソリューションを上手く活用していく必要があります。 そのような需要があるからこそ、近年、コンタクトセンターへのITソリューションの導入が注目されているとも言えますね。
音声認識ソリューション「transpeech」(トランスピーチ)とは?
――デジタル化の推進が、現場の環境改善に繋がり、結果的に応対の質が上がる、ということですね。では、今回ご紹介いただく「音声認識ソリューション」について、基本的な機能を教えてください
野田
今回トランスコスモスがリリースした音声認識ソリューションですが、正式名称を「transpeech」と言います。機能についてシンプルに説明すると、コンタクトセンターで行う電話での音声のやり取りを、リアルタイムかつ自動的に文字に起こし、応対中にオペレーターが確認するモニターに表示することのできるソリューションとなっております。
――早速関係のない質問で恐縮なのですが、ピーチ(桃)が名前に入っているのはなにか理由があるんですか?
野田
あ、桃は関係ないです(笑)トランスコスモスの略称の「trans」(トランス)と、対話という意味の「speech」(スピーチ)を掛け合わせて、「transpeech」になりました。
――・・・関係ない上に完全に勘違いした質問で、大変失礼いたしました…。
野田
いえいえ。実際、桃をモチーフにしたロゴも検討されていたみたいですよ。綴りも違いますし、ボツになったみたいですけど。ドンブラコ。
――…ドンブラコ……。
筆者のトンチンカンな質問にも、快くノってくれる野田氏
「transpeech」が解決できる3つの課題とは?!
――「transpeech」がどのようなソリューションなのかは理解できました。では、先程岩浅さんに挙げていただいたようなコンタクトセンターの課題のうち、どのようなものが「transpeech」で解決可能なのでしょうか?
野田
はい。「transpeech」では、コンタクトセンターでありがちな3つの課題を解決可能だと考えています。
――イヌ、サル、キジですね。
野田
なんですか?
――スミマセン、何でもないです。3つの課題ですか。それは何ですか?
岩浅
はい。1つ目は、品質管理、2つ目はコスト削減、そして、3つ目はリスクマネジメントです。これから順を追ってご説明します。
――はい。では、早速1つ目の課題からお願いします。
課題①「品質管理」
岩浅
従来のセンターでのオペレーターの品質管理では、クオリティ管理の担当者がチェック項目を確認しながら会話ログを一つ一つ聞きなおしてモニタリングする、という方法しかとれませんでした。しかしこの方法にはいくつか問題があって、まずはログを聞きなおす都合上、どうしても時間がかかってしまうという点ですね。
岩浅
もう一つが、時間をかけたとしても全オペレーターのすべてのログを網羅して確認するのは到底不可能なため、多くのデータを基にした統計的な品質チェックができないという点です。
野田
「transpeech」を使った品質管理では、通話が終了した時点で、会話ログがテキスト化されているので、やり取りの全てを目視で確認可能です。また、チェックすべきキーワードや、応答時間に関するチェックポイントをあらかじめ設定しておくことで、挨拶ができているか、正確な案内ができているか等の減点部分などの把握もできるようになっています。
野田
さらにトランスコスモスでは、BIツールと組み合わせることによって、評価を自動的にカルテ化するスキームも構築しており、会話終了時点でのテキスト化はもちろん、その通話の評価まで、人の手を必要とせずに終えてしまうことが可能です。
――品質チェックが電話終了と同時に完了できるというのは、確かに今まででは考えられなかったスピード感ですね。クオリティ担当者の時間的なコストの削減にも繋がるということでしょうか?
野田
まさにそうですね。クオリティ担当者は勿論ですが、オペレーター一人ひとりのコスト削減ができるという点も「transpeech」の強みの一つです。
野田
そして、2つ目の課題がこの「コスト削減」になります。
課題②「コスト削減」
野田
一般的なコンタクトセンターでは、応対の終了後にオペレーターがコールログを作成することになっています。会話の内容や、応対状況などを記録しておくためですね。
「transpeech」では、会話内容が自動的にテキスト化されるので、わざわざコールログを作成する必要がありません。テキスト化されたページのURLだけ残しておけば、いつでも応対内容を確認できます。
野田
一般的にコールログの作成業務はオペレーターの業務全体の15%程度を占めていると言われているので、それらの業務を大幅に簡略化できるというのは、全体で見ると相当なコスト削減を実現することができます。
――後処理業務の負担軽減は、現場の担当者にも喜ばれそうですね。ただ、詳細なコールログが必要となるような業務には、あまり向いていないということでしょうか?
野田
もちろん、ログ作成についてはお客様企業側のご要望次第でフレキシブルに対応しています。我々の認識としても、コールログの作成が完全に不要となる、とは考えていないので、例えば「再入電がなさそうなユーザーのログは「transpeech」で自動的に作成された内容だけを残し、それ以外は全て念のため詳細なログを作成する」などの一定のルールを決めた上での運用が望ましいと考えています。
野田
そういった判断は、導入時やセンター設置時にあらかじめご相談させていただき、そのうえで我々からご提案を差し上げています。
――なるほど。それでは最後に、3つ目の課題は何でしょうか?
野田
3つ目に解決できる課題は、リスクマネジメントですね。
課題③「リスクマネジメント」
野田
「transpeech」の持つ、リアルタイム性を活かした課題解決となります。 通常、電話での応対というのは、オペレーターとユーザーとの1対1でのやり取りですが、リアルタイムに文字起こしをされた内容は全て、SVなどの管理者も確認することができるので、応対中に発生したトラブルに対して、迅速な対応が可能になります。
野田
また、ユーザーに対して伝えなければいけない事柄や業務毎の決まり事について、スクリプトをポップアップで出すことも可能なので、それらの漏れについても抑制することができます。また万が一、応対中にNGワードが検出された際にも同様にアラートのポップアップが表示されるため、スピーディーに対応することが可能です。
――ありがとうございます!「transpeech」の3つの柱、品質管理、コスト削減、リスクマネジメントについて、よく理解できました。
3つの課題と「transpeech」での解決策まとめ
|
現在の音声認識の精度は?実際の導入後の評価は?
――一般的に現在の音声認識の認識率は50~70%程度と言われていますが、こちらの数字というのは、業務に活用するにあたって、許容範囲内の精度なのでしょうか?
野田
トランスコスモスの環境下で10業務ほどの認識率を計測したところ、ほぼすべての業務で85%を超える結果となっており、実用上困ることは少ないですね。それ以上の認識率を目指す際は、まずヒトが機械に寄り添うことが必要です。
具体的にはオペレーターの滑舌トレーニングや復唱の徹底などでフォローする取り組みを行っています。会話内容の要約や、VOCの抽出など、より高い認識率を求められる場合は、初期のチューニングを含めたご提案をさせていただいています。
――導入企業様からの評判はどうですか?
野田
現在、10社ほどの企業様に導入いただいておりますが、とてもご好評いただいています。特に、ロールプレイングの段階で、実際にテキスト化されていく流れや、会話が終わってすぐに評価が出てくる点などの、とてもベーシックな部分で「感動した!」というご評価をいただいたときには、我々としても、感動してしまいました(笑)
野田
また、導入時のコストを抑えられることも、併せてご好評をいただいていますね。
通常、音声認識の導入には、サーバーとライセンスを用意する必要があり、それらの減価償却含め、5年程度の継続使用を前提とした導入となりますが、トランスコスモスでは、あらかじめサーバーとライセンスを一括で揃えているので、初期費用が60%程度抑えられることに加え、使用中断・再開についてもある程度自由に検討が可能です。それらの点もご評価いただいております。
ツールの導入に必要な「目的意識」と「活用イメージ」
――どのようなコンタクトセンターにもある課題を解決できるうえに、導入コストも抑えられるということで、ハードルの低い印象のある「transpeech」ですが、もしかしてすぐにでも導入を検討するべきツールなのでしょうか?
岩浅
難しい質問ですね(笑) まず、音声認識に限らずどんなツールにも言えることではありますが、ツールはあくまでツールでしかない、というのが我々の基本的な考え方ですね。
岩浅
ツールの導入を提案・検討する際は、「どのように現場で活用するのか」「どんな業務改善が可能なのか」という点が重要であると考えています。そのような目的意識を現場とお客様企業の間で共有しているからこそ、課題解決や業務の円滑化に繋がると考えています。
ですので、どんなツールの話をするにしても、「すぐに導入したほうがいいですよ」、といったご提案をすることはあまりないかもしれません。
野田
音声認識をはじめとした各種ツール・ソリューションは、実際に触ってみないとどういう風に使うのか、どういう活用ができるのかイメージしにくい場合も多々あります。導入を検討する際に現場の運用フローへの組み込み方や、実際にその方法で運用できるかを事前にケアすることも必須だと考えています。
野田
業務全体を俯瞰して、プロジェクトマネジメントの立場からアドバイスができるのも、ツールベンダーとしてではなく、アウトソーサーとしての我々の価値だと考えています。
導入の制約がある場合や、せっかく導入しても運用が困難だと思われる場合は、別の解決策をご紹介できる柔軟さも、トランスコスモスの強みの一つです。
音声認識ソリューションとコンタクトセンターのデジタル化の未来
――今後、音声認識ソリューションが普及していくにつれて、できるようになることはありますか?
野田
音声認識自体が普及フェーズに入ったばかりのソリューションで、ようやく通話の内容をデータとして収集管理ができるようになってきたという状態ではあります。しかし将来性のあるソリューションだと感じています。
野田
例えば機械学習とあわせてキーワードよりももっと複雑な文章の判定ができるようになったり、VOCを抽出することで判明したユーザーの嗜好・価値観や購買動機などを利用して広告配信の精度を向上するなど、「transpeech」と連携してさまざまな業務に活用するモデルをトランスコスモスとして考えています。
野田
また、「transpeech」で活用している音声認識エンジン「AmiVoice」でも、話者の使っている言語に応じて自動的にエンジンを切り替えるような多言語対応を目指しているという話もあります。 今後2、3年で急速に発展するであろう技術領域ですので、上記以外にも、ニーズに応じて様々なサービスが実現可能になっていくのかな、と考えています。
――今回お話を頂きました「音声認識ソリューション」も含め、コンタクトセンターのデジタル化が今後さらに推進されていくと考えられておりますが、お二人の考える、コンタクトセンターの理想像や展望などありましたら、是非教えてください。
野田
将来的には、音声認識という言葉をこの世から消し去りたいですね(笑)
技術というものは普及・浸透するにつれて、だんだんと意識されなくなってくるものだと思っています。
野田
例えば、今や多くのユーザーが日常的に使っているスマートフォンやAIスピーカーにも、音声認識機能は搭載されていますが、そのことを意識して使っている人は少ないと思います。
コンタクトセンターでの利用という点ではまだまだ発展途上の音声認識ですが、トランスコスモスにおいては導入と業務活用が当たり前になるほどに普及させることが私の使命だと考えています。そうしてスタンダード化することがトランスコスモスのコンタクトセンターの強みとなり、ひいてはお客様企業の競争力に貢献できるサイクルを作り上げていきたいですね。
岩浅
コンタクトセンター業界全体で大きく変わってきている点として、人材採用環境の変化が挙げられます。特に求人倍率や離職率については根強い課題ですね。
そんななかでも、コンタクトセンターで働きたい!と思う人が増えてくれるような、働いているメンバーが幸せになれるようなソリューションやサービスを作っていけたらいいな、という気持ちで日々の業務に取り組んでいます。理想論かもしれませんが、結構大真面目に考えていますね(笑)
コンタクトセンターの未来のため、デジタルの領域とリアルの領域を行き来する岩浅氏と野田氏
こちらからダウンロードいただける資料で、実際に「品質管理」、「コスト削減」、「リスクマネジメント」の課題を解決した導入事例をご覧いただけます。
(ニュースリリース:https://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/180823.html)