流通・小売業界必見! VOCがもたらす店舗DXとCX向上の秘訣

流通・小売業界必見! VOCがもたらす店舗DXとCX向上の秘訣

VOC(Voice of Customer)は消費者(顧客)の声を反映し、製品やサービスの改善を促進し、競争力を高めるために不可欠です。

店舗などへ直接届く声もあれば、SNSでつぶやかれている声、コンタクトセンター(コールセンター)に寄せられる声、アンケートによって集まる声と、数えきれないほどのデータを蓄積している企業も多いかと思いますが、VOCは競争が激化する流通・小売業界にとって、他者との差別化や自社の持続性を確保するためにも、最も重要な知見や知的財産の一つであると言っても過言ではありません。

そこで本記事では、店舗のDX化とCX向上を実現するためのVOCの活用方法についてご紹介します。

目次[非表示]

  1. 流通業界の変遷とVOCの重要性
    1. 流通・小売業界の変遷
    2. トランスコスモスが考える高度化されたCXとは
  2. 店舗とデジタルの領域を横断したカスタマージャーニー
  3. VOCを活用した課題解決のヒント
  4. VOCという「知的財産」を最大限に活かし、選ばれる店舗へ

流通業界の変遷とVOCの重要性

プロモーションやアプリ、Webサイト、SNS、コンタクトセンターなど、チャネル横断型でたまっているVOCをカスタマーサポートのトラブル対応のみではなく、店舗への送客や売上拡大など、事業拡大に利活用するための手法や進め方についてお悩みの方も少なくないでしょう。せっかくVOCをデータとして蓄積していても、これを正しく活用しなければ店舗のDX化やCX向上には結びつきません。

まずはVOCを正しく活用するための事前知識として、店舗・カスタマーサポート・デジタルマーケティングのチャネルを横断した流通・小売業界の変遷を簡単に振り返ります。

流通・小売業界の変遷

流通・小売業界は、1990年代までは多くの企業において店舗が販売チャネルの主体であり、カスタマーサポート窓口としての役割も兼ねていました。90年代中頃からコールセンターが普及し始めるもののコストセンターとしての位置づけが強く、この傾向は現代でも業界標準として残っています。

その後、2000年代にかけて大型ECモールが参入し、ECでの商品購入という行為自体が一般のユーザーに浸透し始め、2010年代にはスマホが広く普及したことでSNSなどのこれまでとは異なるコミュニケーションチャネルが浸透しました。ECの利便性が向上することで消費者のオンライン・オフラインの隔たりを越えた行動も増加し、企業はこの動きに対応するために、各種データを活用したCRMの導入やデジタルを活用したサポートへの対応が求められるようになりました。

2019年末には、コロナ禍によって流通・小売業界はさらなる変化を求められ、巣ごもり需要やモバイルオーダー、キャッシュレス決済などの非接触対応が強化されたことで、これまで以上に店舗とECのシームレスな連携が重要視されるようになりました。

こうした時代の変化を経て、店舗とECのシームレス化に応じたデジタルマーケティングやカスタマーサポートの領域も大きく進化しています。

たとえば、デジタルマーケティング領域では消費者との接点を最大限に活用し、データとAIを駆使することで個人の興味や購買履歴など、ターゲットの特性に応じたメッセージングが可能となり、エンゲージメントの向上やコンバージョン率の改善に寄与しています。
加えて、各種データを統合・分析することで、消費者のライフサイクル全体を見据えたマーケティング戦略が構築され、より効果的にニーズに応えることができるようになっています。

また、店舗は “物を売る場から体験の場” へと変化しており、実際の体験を通じて消費者との絆を深めることが重要視されています。これにより、消費者は単なる購入行為を超え、店舗での体験を通じてブランドとの感情的なつながりを感じることができます。

さらに、カスタマーサポートの領域では従来のコストセンターとしての位置づけを見直し、消費者との関係構築を重視した取り組みとして消費者のニーズを深く理解し、パーソナライズされたサポートを提供するなど、ロイヤリティの向上を目指す施策が数多く展開されています。

これにより、消費者の期待を超える体験を提供し、店舗での体験とデジタルチャネルでの接点を連携させることで、より一層の顧客満足を実現しています。また、得られたフィードバックを迅速に活用したサービス改善や新たな商品の開発によって自社の持続的な成長を実現する基盤が整いつつあります。

そして、これらの取り組みで得られた成果やデータが連携・活用されることで、チャネルの垣根を越えたCXの高度化が実現され、ゆくゆくは「超パーソナライズ化」が進むと考えられています。

トランスコスモスが考える高度化されたCXとは

CX高度化に向けたDX動向(業務軸・機能軸)

CX高度化に向けたDX動向(業務軸・機能軸)

CXの高度化に繋がるのがDXであるとトランスコスモスは考えており、大きく分けて2つ、機能軸としてのDXの進行度と業務軸としてのDXの浸透度を見ています。このどちらか一方だけが進んでいても、理想的なCXの高度化は難しいと考えています。

機能軸としてのDXの進行度には、オウンドメディアの統合やデータ統合、CRMの基盤作り、CDPの構築などが含まれます。またそれらを基にしたデータの利活用や、コンタクトセンター自体のDXなども重要です。個別に対応するのではなく、全体最適が求められます。

業務軸としてのDXの浸透度は、全社横断的な高速PDCAの実行体制があるかどうか、方針の定義や部門間連携ができているか、またスピードアップのための開発体制が整っているかが重要です。組織内部でDXが浸透し、PDCAの実行や高速な改善ができる体制が整っているうえで、機能軸の取り組みを進めることではじめてCXの向上に寄与します。

高度化されたCXイメージ

高度化されたCXイメージ

※一部、トランスコスモスの提供範囲外も含むイメージです

「店舗のDX化」を通じて何を実現したいのか、どのような目的を達成するための取り組みなのかを考えると、本質的にはDXはあくまで手段であり、最終的にはCX、すなわち消費者の体験価値の最大化が目的になるのではないでしょうか。

トランスコスモスが考える高度化されたCXとは、データに基づいてお客様(消費者)を中心に「来店前~来店中~来店後」までのジャーニーで一貫した顧客体験の提供し、顧客満足度やロイヤリティを向上させることです。そこからCXが最大化し、結果として売上の最大化を目指しています。

メールやコミュニケーションツールでお客様(消費者)とコミュニケーションを図り、オウンドメディアやアプリでの来店予約、実際の店舗やECサイトでの体験などを通じて体験価値を向上させ、データの利活用を通じてさらにコンタクトセンターでの体験、MEOを含めたVOCの利活用、そしてこれらを基にしたコミュニケーションと、循環していき進化していくようなイメージを持っていただくと分かりやすいかと思います。

もちろん、業態や持っているチャネルによって違いはありますが、流通・小売業界の企業が理想とするイメージに近いものだと考えています。

とはいえ、このイメージ図は一朝一夕に実現できるものではないことも理解しています。担当部署や予算が縦割りになっていることが多く、それぞれが個別のプロジェクトとして動いています。そのため、業務軸での取り組みが重要になってくると考えます。

全社方針や部門間連携によって理想像を共有し、それぞれのプロジェクトを統合的に進めることが、今後ますます重要になっていきます。

店舗とデジタルの領域を横断したカスタマージャーニー

ここまでは流通・小売業界の変遷とトランスコスモスが考える理想像についてお伝えしましたが、ここからは具体的なVOC利活用のイメージについてお伝えします。

店舗とデジタルの領域を横断したカスタマージャーニー

まず、店舗とデジタルそれぞれにおける消費者のカスタマージャーニーを未購入、検討中、利用中、リピートに分類し、どのチャネルと接点を持っているかを可視化することが重要です。

基本的な流れとして、デジタル広告やSNS、店舗検索などを経て、Webサイトやアプリでの購入検討や来店予約を行い、実店舗での購入や飲食、メルマガなどで接点を持ち、再来店に繋げていきます。

ここでとても重要なのが、リアル店舗とデジタルの両者の関係です。コンタクトセンターやチャットボットなどを活用したお問い合わせ、店舗でのデジタル体験など、リアルとデジタルの垣根を越えた行動・体験それぞれのタッチポイントで得られるVOCやログデータは、企業にとって重要な知的財産です。

例えば、店舗とデジタルそれぞれで受けていた問い合わせ情報など、分散していたVOCを本部に集約することで、その他のチャネルの改善を含めた統合的な視点で活用することが可能になります。

加えて、コールログやアンケートなどから得られた声は実際の店舗オペレーション改善にも活用できますが、よくある質問として抽出し、WebサイトやFAQの改善にも役立てることができます。

また、アプリのログやレビューの内容から得られた声をUI/UXの課題解決に向けて活用したり、商品・サービス、店舗の口コミはもちろん実際のサービス改善にも使われますが、広告やLPなど集客用のコンテンツに反映させることで、マーケティング活動にも役立てることができます。このように、チャネルを越えたデータが本部に集約され、利活用できる環境が整備されることでVOCを最大限活用することができるようになります。

このように、各店舗や部門に分散しているVOCを集約し、CXの向上につながる具体的な施策へと展開していくことが重要です。

こうした取り組みの実現に向け、トランスコスモスでは売上拡大とコスト削減の2軸から各領域での業務支援をご提供しています。

前の章で業務軸として全社方針や部門間連携が必要だとお伝えしました。CX向上施策を成功させるためにはこの理想像を部門間で共有し、それぞれのプロジェクトを統合的に進める必要がありますが、これらの取り組みについてはトランスコスモスの幅広いケイパビリティと併せて、VOC活用を軸に店舗とデジタルチャネルを横断したカスタマージャーニーに沿ったご支援をしています。

<参考>店舗×デジタルにおけるトランスコスモスの支援一例

領域

店舗

デジタル

店舗&デジタル

施策

■店舗受電業務の効率化支援
・店舗受電の集約サービス
・オンライン接客リモート接客サービス

■広告運用支援
■MEO施策支援
■SNS運用支援
■SEO対策支援

・SEO/LLMO支援
・集客コンテンツ制作
■オウンドメディア施策活性化支援
・オウンドメディア、ECサイト制作/運用 など
■オウンドメディア運用コスト最適化支援
・AI×業務BPRによるサイト運用プロセス改善
■新規獲得/既存継続支援
・お友達紹介パッケージ

■コール×Web 自己解決率向上支援
・ VOC×Webログ分析による自己解決施策設計
■アプリ開発・運用支援
・ネイティブアプリ/LINEミニアプリ構築、LINE API開発 など
■データ統合・分析支援
・CDP導入/開発
・MA/CDP運用 など
■デジタルto店舗送客拡大支援
・オムニチャネル戦略設計支援
・CRM運用 など

当然、企業ごとに課題感や目的は異なりますが、トランスコスモスには各領域単位の専門チームも存在しており、課題の可視化や施策実行のための診断調査のパッケージも提供しています。

また、全社的なDX推進の旗振り役として、部門を跨いで効率的かつ一気通貫で力強くサポートする人材『trans-DXプロデューサー』によるご支援もしています。

<参考>trans-DXプロデューサーとは

とはいえ、自社が抱える課題が明確になっていないケースもあるでしょう。

特に「VOCを活用したいが、何から始めればよいか分からない」「自社の持つデジタルチャネルのどこに課題があるのかわからない」といったお悩みを多く耳にします。

そのような場合については、VOCを使って消費者の行動におけるチャネル横断での課題把握が可能な「VOC×ジャーニー診断」を実施し、課題や優先順位を明確にすることで、対象チャネルの具体的な支援を行うことも可能です。

次の章では、VOCジャーニー診断とは何なのか、具体例を交えてご紹介します。

VOCを活用した課題解決のヒント

VOCの活用に関する課題に対して、CX向上を実現するための消費者(ユーザー)視点での課題可視化や、チャネルごとの施策改善方針のご提示、そして実際に課題・施策・優先度を一元管理してご提示するサービスが「VOC×ジャーニー診断」です。

具体的には、コールログやアンケート、SNS上のログなどを活用し、対象サービスやデジタルチャネルにおける消費者(ユーザー)視点での課題を可視化します。

そして、対象のWebサイトやサービスの改善診断を実施したうえで、いまある課題、その要因、改善のための施策について優先度を付けて一元管理できる形でご提示します。

簡略化したアウトプットイメージ(サンプル)

簡略化したアウトプットイメージ

たとえば、店舗での来店予約やそれに伴う登録について、コスト削減の観点から診断した場合、まずは消費者(ユーザー)のVOCを検討中、登録前、登録後~利用前、利用中・利用後のフェーズに分け、それぞれのインサイトを整理します。

比較検討中の消費者(ユーザー)からは「A社の方が安心感があった」「手間やコストを抑えつつ安心できるところを選びたい」といったインサイトが得られました。また、登録前の消費者(ユーザー)からは「自分の希望する条件で簡単に確実に予約をしたい」といったインサイトが得られました。

結果的に、どのフェーズでも手間をかけたくないという共通点がありつつ、さらなるニーズとして「時間をかけずに自分で完結したい」「快適で確実なサービスを受けたい」といった両軸のニーズが見えてきました。

顧客体験とのギャップの可視化

顧客体験とのギャップの可視化

次は、同じように検討中から利用後までのそれぞれのフェーズを企業視点で見ていきます。

それぞれのフェーズにおいて対象となるWebサイトやチャネルを診断し、企業視点でのカスタマージャーニーや消費者(ユーザー)の動線を図式化していきます。

そのうえで、消費者(ユーザー)から得られたVOCを当てはめることで、企業の想定しているものと実際の顧客体験とのギャップを可視化します。

たとえば、

・会員登録までの導線が分かりにくい
・FAQが見つからない
・登録や予約のステップが分かりにくい
・不明点をチャットボットに聞いても解決できず結局、電話での問い合わせになる

など可視化された問題に対し、その原因と課題を分析し、チャネル横断で施策と改善方針を策定することで、部門横断的な課題解決を加速します。

具体的には、このサンプルの場合では以下のような課題が見えてきたため、それらの改善に向けた施策を策定します。

課題

施策

サポート体制の課題

・窓口が複数ある
・対応範囲が限定的
・電話がつながらない

自己解決の課題

・FAQが検索しづらい
・コンテンツが不足している
・チャットBotの精度が低い

予約時の課題

・登録時の検索がしにくい
・予約のSTEPが複雑
・個人情報の取り扱いができないケースがある

■オペレーション改善
・繁閑に合わせた体制
・マルチスキル化
・チャットチューニング

■サイト・アプリUIUX改善
・FAQ/コンテンツの充実
・サポートチャネルへの導線整備
・フォームのUI改善

■システム・ツール改修
・FAQ/botツールの改修
・予約システムの改修
・セキュリティサポート導入

問い合わせ窓口をたらい回しされるという課題に対しては各窓口の案内を記載し、知りたい情報が見つからないという課題にはFAQツールの改修や新規FAQの作成を行うといったように、方向性の示唆だけではなく課題・施策・優先度を一元管理できる形でご提示するのが「VOC×ジャーニー診断」の特長です。

この際、課題要因の特定や施策の具体化にあたりコンタクトセンターへのヒアリングやWebサイトの定量/定性調査などを行うことでさらに深掘りすることもあります。

VOCという「知的財産」を最大限に活かし、選ばれる店舗へ

ここまで、流通・小売業界の変遷から、店舗DX実現およびCX向上のためのヒント、そしてトランスコスモスのサポート体制についてご紹介しました。

繰り返しになりますが、VOCは流通・小売業界の企業にとって非常に重要な知的財産です。CX向上やその最大化に必要な重要な資産であり、トランスコスモスの提供するサービスが今後もお客様企業のサービス改善に貢献できるよう取り組みを進めていきます。

また、VOCの活用と一言でいってもお客様企業やご担当者様によって、いま抱えている悩みや課題感は大きく異なってきます。そのような場合でもトランスコスモスでは要件化前の状況でのご支援、VOCジャーニー診断での課題の可視化、施策改善方針の提示、個別チャネルから全社的なご支援まで、幅広く柔軟に対応しています。

本記事の内容に興味・関心をお持ちいただいた際は、こちらよりお気軽にお問い合わせください。

trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。
 

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