事例から学ぶ在宅コンタクトセンターの進め方~1,700名の在宅移行から考える。これからの在宅構築手法~/トランスコスモス【トランスコスモスフォーラム2020】
2020年11月25日~26日の2日間にわたり、オンラインにて開催された「transcosmos Forum 2020」。
「ニューノーマル時代のコンタクトセンターが目指すべき姿 ~DXの推進と新たなBCPを考える~」をテーマに、DAY1では「コンタクトセンターサービスのDigital化」、DAY2は喫緊課題である「BCP機能としての在宅化」に、計10社のお取引先企業様に講演いただきました。(transcosmos Forum 2020詳細はこちら)
セミナー募集直後から多くのお申込いただき急遽定員数を1,500名から3,000名に拡大、盛況のうちに終了しました。
トランスプラスでは、「transcosmos Forum 2020」の講演内容を順次公開いたします。
本記事ではDAY2「BCP機能としての在宅コンタクトセンターの実現」からトランスコスモス DEC統括DCC総括デジタル推進部 部長 岩浅佑一 が登壇した「事例から学ぶ在宅コンタクトセンターの進め方 ~1,700名の在宅移行から考える。これからの在宅構築手法~」をご紹介いたします。
トランスコスモス株式会社
DEC統括DCC総括デジタル推進部 部長
岩浅 佑一
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トランスコスモスは、お客様企業にご協力をいただきながら、コンタクトセンターの在宅化を進めております。
本セッションでは、在宅運用で課題となるセキュリティや生産性、品質、コミュニケーションに関して運用事例からの対策例と今後の構築手法に関してお話させていただきました。
在宅化を進めるためには「IT/セキュリティ」「コミュニケーション」「生産性・品質」の3つの障壁がありますが、トランスコスモスではさらに6分野「ネットワーク/IT環境」「情報セキュリティ」「在宅環境」「教育人事」「業務プロセス」「品質管理」に分類し対応しています。
重要なのは、環境面はセンターと同環境を構築し、運用面はセンターからの“置き換え”を前提とせず、在宅で実施すべきことを新規に検討することが成功するポイントとなります。
「ネットワーク/IT環境」
クラウド型PBX利用により、在宅環境でもスムーズに受電。オンプレ型のPBXであってもクラウド型PBXに電話転送することにより、在宅環境で受電することが可能
「情報セキュリティ」
在宅対象者へ誓約書を取得し、技術対策によりセキュリティを担保
「在宅環境」
コロナ禍での在宅となったことから、個室環境整備が難しい状況であったため、生活音がユーザーに聞こえてしまった場合のスクリプトを準備し対応
「教育・人事」
朝礼や研修に、WEBオンライン会議サービスを利用。頻繁にメンバーとコミュニケーションをとりつつ進行。教育面でも動画コンテンツも準備し、電話を待っている時間での勉強などに活用してもらえるように工夫
「業務プロセス」
マニュアルの電子化を実施、コミュニケーションツールの活用を推進。コミュニケーションツールは導入後、すぐに効果がでないので、在宅前から導入して経験を積む必要有り。センターとのハイブリッド稼働を行なって業務の切り分けを行うことも同時に推進
「品質・パフォーマンス管理」
在宅継続条件に対応件数と品質スコアの目標を設定。コミュニケーションは希薄になるので、オペレーターへのコンタクト回数を意識的に増加させて、在宅勤務のゆるみを防止
このような取り組みを実施したことで、少しずつ結果に繋がっておりますが、お客様企業にご協力をいただき地道に改善活動を進められる土壌を作っていただいたことが非常に大きいとお話させていただきました。
またトランスコスモスがこれまで在宅を行ってきた経験をまとめた知見と傾向についてもお話させていただき、
・音声品質は?
・アクセス速度は?
・セキュリティ対策はどの程度実施するべきか?
・在宅特有の手当は何をどこまで手当すべきか?
・研修・教育は?
・生産性に影響はあるか?
・品質に影響はあるか?
・その他考慮すべき点はあるか?
これらを踏まえた弊社の在宅コンタクトセンターソリューションをご紹介させていただきました。
一部抜粋 在宅コンタクトセンター
最後に在宅コンタクトセンターを進めるステップとしてノンボイス(チャット)オペレーションで在宅を進めることをご提案させていただきました。
ボイスでの在宅開始が難しい場合は、取り扱い情報や専門性などに応じた業務仕分けを実施し、センターでノンボイス(チャット)業務を開始し、ノンボイス業務を稼働させていく中で在宅に向けた準備を並行していくステップ論についてお話させていただきました。
在宅コンタクトセンターを開始する場合、お客様企業・トランスコスモス双方のセキュリティポリシー調整に時間がかかるため、平行して移行しやすい業務準備を進めておき、チャットから在宅対応のトライアルスタートを進めることがセキュリティや不安感といった障壁を下げる一つの手立てになります。
最後に、いずれも一朝一夕で上手くいくものではないので、平常時から準備をスタートさせておくことがスムーズな在宅移行へのポイント。検討のスタートハードルが高い場合は、チャットサポートなどのノンボイス領域から検討を始めることを推奨するとまとめ、セッションを締めくくりました。
本記事では紹介しきれなかった内容も多いため、ご興味のある講演・ソリューションなどあれば、お気軽に担当営業、もしくはこちらからお問い合わせください。