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変化する時代に対応するためのDX戦略 人間×AIが導く顧客体験の最適化

労働人口の減少が深刻な社会問題となるなか、企業は人手不足や労働力コストの上昇といった問題に向き合い、持続的な経済成長を実現するためにも人口動態の変化への対応が必要とされています。また、自社のDX推進を担うDX人材の不足も企業の成長を阻む大きな課題となっています。

また、ESG(Environmental, Social, Governance)に重点を置いた経営も求められ、常に変化する社会要請にスピーディーに対応するために、さらに多くの専門知識と人材が必要になります。これら全てに対応可能な人材を確保・育成するには非常に多くの工数と時間、そしてコストをかける必要があり現実的ではありません。

このような状況を打破するためには、人間とAIの最適な協働が鍵となります。そこで本記事では、生成AIを活用したチャットサービスを通じて、業務の効率化と高品質な顧客体験を実現することで限られたリソースを最大限に活用し、DX人材の不足や人材育成の負担を軽減する方法について、ご紹介します。

目次[非表示]

  1. トランスコスモスが推奨する人間×AIの働き方
  2. 「trans-DX for Support」が実現するCX最適化
    1. trans-DX for Supportを活用することによるメリットの一例
    2. 万全のカスタマーハラスメント対策
  3. 企業のDX推進を加速する『trans-DXプロデューサー』

トランスコスモスが推奨する人間×AIの働き方

トランスコスモスが毎年公開している「消費者と企業のコミュニケーション実態調査(通称:コミュ調)」では、コミュニケーションチャネルの最新利用実態について解説しています。

消費者と企業のコミュニケーションチャネルの利用経験率

引用:消費者と企業のコミュニケーション実態調査2024-2025

利用経験率上位のチャネルを見ると、電話、公式サイト(PC・スマホを含む)、店舗が70%前後と依然高い水準を維持しており、その一方で有人チャット・チャットボットなどのテキストコミュニケーションや、AIによる自動音声対応なども拡大傾向にあり、利用チャネルの多様化が進んでいることが分かります。

また、音声・文章・動画など複数の形式、手段が混在するマルチモーダル化が進んでいます。

主要チャネルの利用経験と利用意向の比較

引用:消費者と企業のコミュニケーション実態調査2024-2025

主要なチャネルの実際の利用率について見てみると、電話やEメールの利用意向は利用経験を大きく下回っており、消費者(顧客)が意に反して利用していることを示しています。対して、チャットの利用意向率(55%)は利用経験率(28%)を上回っており、企業は早急なテキストコミュニケーションの環境整備が求められていることが分かります。

チャットサポートの普及に向けた課題とハイブリッドサポートのニーズ

引用:消費者と企業のコミュニケーション実態調査2024-2025

一方、チャットサポートの普及には様々な課題があります。

チャットボットの文章や表現がわかりにくい(36%)、チャットボットの回答精度が低い(28%)、チャットに至るまでの導線が分かりにくい(17%)、電話と比べた際にサポート対象範囲が狭い(7%)などが挙げられ、加えて「チャットサポート=チャットボット」と同一視されるケースも少なくありません。

また、チャットボットで解決できない場合、消費者の65%が有人対応に引き継ぎ、問題解決まで確実に導くハイブリッドサポートを望んでいます。

ここまでのデータから分かることは “消費者が最終的に求めていることは問題解決をすること” であるということです。

AI自動応答の利用意向と改善課題

引用:消費者と企業のコミュニケーション実態調査2024-2025

生成AIを活用したサービスは購入手続きや購入後のサポートなど、様々な場面で導入が進んでいます。コミュ調によると、生成AIの本格的な登場から数年で、すでに消費者の6割が生成AIを利用したコミュニケーション支援サービスの利用を経験していることが分かっています。

その反面、利用した消費者の約半数は不満を抱えており、文章や音声でのAI自動応答にはハルシネーション(一見もっともらしいが事実とは異なる嘘や、文脈と無関係な内容を回答するなどのリスク)が伴うなど、まだまだ改善の余地もあります。

しかし「誤回答や誤対応などによる損害は自己責任でも良いので、AI自動応答を利用したいか?」という問い対して、消費者の利用意向は53%と高い水準を示し、半数以上はリスクを考慮してでもAI自動応答を利用したいと考えていることが分かっています。

また、消費者の50%はチャットと同じく、有人のサポート窓口を併設するなどのハイブリッドサポートを望んでおり、生成AIを活用した自動応答と有人対応を組み合わせたハイブリッドサポートで、確実に問題解決まで導いてほしいと考えています。

「trans-DX for Support」が実現するCX最適化

トランスコスモスはアジア最大規模となるWeb/アプリ開発事業とコンタクトセンター事業を展開しており、企業と顧客接点のCX最適化を実現するCXプラットフォーム「trans-DX for Support」をグローバルに展開しています。

「trans-DX for Support」はコンタクトセンター事業を通して企業に直接届く消費者の声とSNS上のVOCを活用し、チャット対応に最適化された生成AIボットと有人チャットオペレーターを有機的に組み合わせることにより、電話対応のみに比べ3倍以上の生産性を実現、エンドユーザーの利便性向上と企業のコスト最適化を同時に実現しています。

チャットサポートは、コールセンターがつながらない時や発話できない状況などにおいて、問題解決をはかるための有力なチャネルとなっています。

一方でチャットボットだけで対応している課題としては、文章・表現のわかりやすさや回答精度を問題視する意見が多く、チャットボットでの対応が不十分な場合には人間のエージェントに引継ぎ、問題解決まで確実に導くハイブリッドサポートが望まれています。

このような背景から、チャットボットと有人チャットをシームレスに統合したハイブリッドチャットサービスは複雑化する顧客ニーズに対応しつつ、効率的な運用を可能にする必須のソリューションと言えます。

「trans-DX for Support」は、24時間365日対応可能なチャットボットが一次対応を行い、チャットボットで解決できない場合は即座に有人チャットオペレーターにスイッチングすることで、顧客のストレスを大幅に削減し解決率を向上させます。これにより高品質なカスタマーエクスペリエンスを提供しながら、運用コストを最適化することが可能です。

生成AIを活用したデジタルサービス概念図

ユーザーコミュニケーションから運用支援まで
トータルで生成AIを活用し顧客体験を最適化します

trans-DX for Supportを活用することによるメリットの一例

◆お客様企業のニーズを把握

ベテランオペレーターと同水準のレベルを持った自動処理能力により、よくあるお問い合わせなどの自動応答を実現。より柔軟な人材配置を実現するだけでなく、業務効率向上を実現します。

◆顧客体験の最適化

消費者の意図を認識し、シーンの分類、数次対話などの機能により、消費者にパーソナライズされた体験を提供。ネガティブ感情モニタリング、NGワード・セキュリティ監視などリスク管理と早期警告により潜在的な問題を未然に防ぎ、顧客体験の向上に寄与します。

また、応答時間が短縮されることで消費者へより迅速なフィードバックと高品質なコミュニケーション体験を提供することができます。専門性の高い問い合わせなどについて有人対応が必要となる場合は、オペレーターによるカスタマーサービスへシームレスに移行することも可能です。

◆コンバージョン率の向上

ディープラーニングとリアルタイムのデータ分析により、質問解決率とコンバージョン率を大幅に増加させることができます。これにより消費者は迅速かつ正確な回答を得ることができ、顧客満足度とロイヤルティの向上につながります。

この他にも、企業・消費者ともに以下のようなメリットがあります。

【企業のメリット】

1. 音声認識・生成AIを活用したカスハラの自動認識
2. 待機時間の減少・自己解決の増加により消費者のストレスが緩和され、カスハラを低減
3. 消費者とのWebコミュニケーションによる従業員の心理的負担を低減
4. デジタルチャネルへの移行による自己解決率・運用効率化によるコスト削減
5. CX向上によるファン層の拡大/売上拡大へ寄与

【消費者のメリット】

1. デジタルチャネルへの移行によるサポート受付までの待機時間や解決までの時間短縮
2. WebサイトやアプリのUI/UX改善による自己解決の増加
3. チャットでの問い合わせにより、いつでも、どこでも問い合わせ時間を有効活用

万全のカスタマーハラスメント対策

また、トランスコスモスはお客様企業のコンタクトセンター事業において、消費者からのカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)対策サービスも提供しています。

近年、社会問題となっているカスハラは、特にコンタクトセンター業界において深刻な影響を及ぼしています。本サービスは主に以下の3つの要素で、お客様企業のカスハラ対策を強力に支援します。

1. カスハラの定義の明確化
長年にわたるコンタクトセンター運用実績をもつトランスコスモスがカスハラの具体的な定義を明確化し、従業員とお客様企業はカスハラの認識を共有することで問題の早期発見と対策が可能になります。

2. 生成AIを活用した対応方法の提案
電話対応中に音声を自動解析し、感情分析を行います。これにより、カスハラが発生したことをリアルタイムで検知し、管理者が迅速にオペレーターのサポートに入る、通話を終了するなどの対策を講じます。このシステムはオペレーターを守り、ストレスの軽減に貢献します。

3. カスハラ対策の導入と運用支援
カスハラ対策の施策を企画から導入まで一貫してお客様企業に提供します。対策マニュアルの作成、トレーニングプログラムの実施、定期的な評価と改善提案が含まれます。

カスハラ対策の例

企業のDX推進を加速する『trans-DXプロデューサー』

この他にも、企業が直面する様々な課題に対処し、持続可能な成長を実現するためには全社的なDX推進が不可欠です。

こうしたなかで「trans-DX for Support」は業務効率化やカスタマーハラスメント対策において卓越した効果を発揮しますが、これを最大限に活用するためには専門的な知識とリーダーシップを持つ人材、いわゆるDX人材の存在が重要です。

トランスコスモスはお客様企業のDX戦略を一貫して推進し、全社的な視点でのコミュニケーションと協力を促進する『trans-DXプロデューサー』を有しています。

trans-DXプロデューサーは、生成AIの活用による顧客体験の向上や業務効率化を実現するための橋渡し役となり、企業全体を見渡した戦略的なアプローチを提供します。

本記事の内容について興味・関心をお持ちの際は、ぜひお気軽にご相談ください。DX推進に向けた第一歩を、一緒に踏み出しましょう。

<参考>trans-DXプロデューサーとは

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trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。
 

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