Google Cloudで実現するコンタクトセンターのDX/グーグル・クラウド・ジャパン合同会社×日本アバイア株式会社×トランスコスモス【トランスコスモスフォーラム2020】
2020年11月25日~26日の2日間にわたり、オンラインにて開催された「transcosmos Forum 2020」。
「ニューノーマル時代のコンタクトセンターが目指すべき姿 ~DXの推進と新たなBCPを考える~」をテーマに、DAY1では「コンタクトセンターサービスのDigital化」、DAY2は喫緊課題である「BCP機能としての在宅化」に、計10社のお取引先企業様に講演いただきました。(transcosmos Forum 2020詳細はこちら)
セミナー募集直後から多くのお申込いただき急遽定員数を1,500名から3,000名に拡大、盛況のうちに終了しました。
トランスプラスでは、「transcosmos Forum 2020」の講演内容を順次公開いたします。
本記事ではDAY1「コンタクトセンターサービスのDigital化」から、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社様、日本アバイア株式会社様をお迎えした「Google Cloudで実現するコンタクトセンターのDX」をご紹介いたします。
トランスコスモス株式会社
DEC統括DCC総括デジタル推進部 部長
岩浅 佑一
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グーグル・クラウド・ジャパン合同会社様、日本アバイア株式会社様、トランスコスモスのセッションでは、トランスコスモスがご提案する自己解決率向上パッケージと併せて、コンタクトセンターソリューション(CCAI:Contact Center AI)を活用することで、どのようにして顧客体験価値を変化させることができるかを、一つの顧客体験シナリオ例を使い、デモ動画でご紹介しました。
トランスコスモスで実施している2020年度コミュニケーション実態調査では、コロナ禍で「Webサイト(PC&スマホ)」の利用が20%以上増加し、「電話」「店舗・店頭」「チャット/チャットボット」についてもアフターコロナでの利用意向は上昇傾向となっていることからも新たな生活様式は定着し始めていることが伺え、顧客体験のあり方を改めて検討していくことが必要だと言えます。
トランスコスモスでは、コスト削減、顧客体験の向上といった課題に対して、コスト効率の改善を図り、より顧客体験を向上する施策に注力できるようチャネル比率のリデザインを推進しています。
具体的にはコールを1対Nで対応が可能なチャットへの置き換え、チャットボットや音声AIなどによる自動化による効率化など、コンタクトセンターが求められている役割を果たしやすくするための後押しをしています。
しかし、チャネルリデザインにはお客様にそのチャネルを選択していただくという障壁があります。
顧客体験を考える場合、利便性も損なわないよう、お客様の属性に応じて負担を減らす施策が重要といえます。
若年層、団塊世代、高齢層それぞれに適したアプローチの仕方があり、顧客体験を踏まえた施策を検討していくためには、単一部門のみでクローズせず、お客様の声を各部門に広げながらスタートした内容を検証・改善を繰り返していく活動が必要です。
インターネットやスマートフォンが普及した現代では、コンタクトセンターへご連絡いただいたお客様の対応についても、マスに対するアプローチではなく、よりその顧客にとって有益な情報・回答を提供できるように進化していく必要があります。
そのためにデジタルチャネルで繋がる接点を作り、セルフサービスを提供、そしてコンタクトセンターの応対をサポート、それらをデジタルデータとし、データ可視化していくデジタルコンタクトセンターを構築していくことが重要です。
またデジタルコンタクトセンターの機能要件に適したソリューションとして、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社様のCCAI:Contact Center AIをご紹介し、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社様へセッションをバトンタッチしました。
グーグル・クラウド・ジャパン合同会社
機械学習スペシャリスト
児玉 敏男 様
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Google のCCAI(Contact Center AI)はビジネス課題が明確なお客様に対し、ビジネスソリューションを提供するという位置づけになり、本来はお客様にてAPIを組み合わせてソリューションを組み立ててご利用していただくところ、特定のビジネス課題が明確になっているお客様に対して、より迅速にソリューションを提供することが可能です。
CCAIのベースとなっているのは、おなじみのウェブ検索や Google マップ等のコンシューマー製品で培った技術。膨大なユーザーを抱えるサービスの機械学習を適宜トレーニングし、そのモデルをデベロッパー製品としてAPI形式で提供。 各インダストリーのエンタープライズ案件で使われている技術と組み合わせ、コンタクトセンターを「コストのかかるトラブル対応の業務」から「企業の大事な資産」へ変えることができるとご説明いただきました。
【GoogleのCCAIの特徴】
・様々なサービスによって培ってきた「話を理解し対話する能力」により、高品質の会話体験が可能
・120を超える言語・会話をリアルタイムに理解し、効果的な解決策を提供できる
・日本語の理解においては業界トップクラスで、多くの専門用語も順次理解できるように進化している
・蓄積されたデータを可視化、分析し、それらからアップセル、クロスセルのためのデータ活用を行うことができる
・STT(Speech-to-Text)による音声のテキスト化や、TTS(Text-to-Speech)によるテキストの音声化も業界トップクラスである
簡単なボットであれば、数ヶ月でエンタープライズユーザー向けのものを構築できるといった手軽さもポイントだとお話しされました。
最後にまとめとして、
・Googleはユーザーフォーカスでプロダクトを開発、そのインフラ技術を提供するものがGoogle Cloudである
・Google Cloudの音声技術を活用したCCAIによってカスタマーエクスペリエンスの向上につなげる
・パートナーとのインテグレーションを通じて、今後お客様にCCAIのソリューションを提供する
これらのミッションを達成するために活動を続けていくとお話しされ、CCAIのパートナーである日本アバイア様へセッションを繋いでいただきました。
日本アバイア株式会社
エンゲージメントソリューションセールスシニアソリューションスペシャリスト
長瀬 貞夫 様
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アバイア と Google Cloud はグローバルでアライアンスという関係を持っており、「Google Cloudへのアバイア製品の適用」と「アバイア デジタルソリューション(AEP、Oceana など)と Google CCAI との連携」という強みを活かした Google Cloud との連携サービスをグローバルで提供している、または今後の提供開始に向けて作業を進めているとお話しいただきました。
【現在提供中、今後提供開始予定のサービス】
・Avaya AI Virtual Agent(提供中)
自然言語による音声認識を活用することにより、お客様との応対をAIが音声または、テキストで実施。また、AIで処理できない応対になった場合は、アバイアのソリューションで最適なエージェントに転送することが可能。
・Avaya AI Agent Assist(2020年リリース予定)
アバイアのルーティング技術により最適なエージェントに転送したのち、お客様と有人エージェントでのリアルタイムの会話分析に基づいて、お客様との会話や最適なナレッジをデスクトップに表示し、エージェントに提供。
・Avaya AI Insights(リリース未定)
お客様がコンタクトセンターに問い合わせてきた主要なトピック領域を明らかにし、会話の目的を明確にし、関連トピックを分析する。
また、AIを活用することによりエージェントの削減をすることができるのではないかとよく言われていますが、実際はそうではなく、AIを活用することで今まで以上にエージェントへ最適な支援をすることができると考えていると述べられ、具体的な活用方法のイメージをデモ動画を通じて詳細にご説明いただきました。
デジタルトランスフォーメーションと言うとスマートフォンによるデジタルチャネルの活用であったり、チャットやSNSをAIと組み合わせるといったことをイメージしやすいものの、このほかにもデジタルとレガシーサービスの組み合わせ・使い分けをすることが重要であり、従来のサービスに新しいデジタルチャネルを加えることで、お客様により良い体験をしていただくことが本当のデジタルトランスフォーメーションなのではないかと述べられ、今後もお客様の最適なDX 実現のために活動を続けていきますとまとめられました。
本記事では紹介しきれなかった内容も多いため、ご興味のある講演・ソリューションなどあれば、お気軽に担当営業、もしくはこちらからお問い合わせください。