昨年好評を頂いた2018年のデジタルマーケティング業界予測「7人のデジタル侍」
今年は人数も内容もバージョンアップ。デジタルマーケティングやデジタルテクノロジー、さらにグローバル企業として注目すべきキーワードをトランスコスモス各事業部8人の部長こと「デジタル侍」にインタビューしました。
2018年を振り返って2019年を勝ち抜くためのポイントは?
昨年は「GAFA」が流行語大賞にノミネートされ社会的にデジタル業界への注目が高まりました。年末にはスマホ決済システム「PayPay」が100憶円の大規模なキャッシュバックを実施し、スマホ決済が身近になったり、無人レジ店舗の試験運用も行われテクノロジーがわたしたちの生活を変えていくことを体感する一年でした。
この流れは2019年もさらに加速するものと考えられます。
日本国内でみれば新元号の制定や東京オリンピックの前年となる重要な年。デジタルマーケティングやデジタルテクノロジーを扱う企業にとって、カギとなる視点は何か。各部長が掲げるキーワードとともに見えてきた3つのポイントを解説していきます。
ポイント1 多様化するメディアやテクノロジーの「使い方」
2019年 インターネット広告はレストランのコース料理みたいになる
インターネットプロモーション本部 本郷 顕良

2018年にAppleサーチ広告が出たり、アマゾンの広告は2019年にGoogle・Facebookについで3位になると予想されるなど広告業界でも話題の中心となったGAFA。加えてTiktokの広告参入など年々複雑化していくプラットフォーム。これが材料だとしたら、どう配信し、どう組み合わせるのかという料理が必要になります。そして、その料理が毎回同じではお客さん(ユーザー)は飽きてしまう。名物(記憶に残る広告)を求めるお客さんもいる。それらに加えてお客さんの好み(1stPartyData)をうまく料理に取り入れ、コースにしてコミュニケーションしていくことが、2019年のネット広告には問われると思います。

ブランドセーフティーの観点では配信面が明確な純広告が再注目されるなどの話題もありました。今年は今まで以上にあらゆるメディアを知り尽くし、コントロールする技量が求められそうです。
リアル×デジタル
グローバルEC・DS推進本部 橋口 和晋


今はタイ・マレーシアを中心に日系コスメブランドの販売を行っております。ASEAN諸国が成長期とはいえ、ここで壁になるのが所得の差です。現地の方からすると名前も知らない上に高単価な日本のコスメをいきなりECで購入する事はハードルが高いのが現実です。「良さ」を肌で感じて頂く場を作り、そこからファンを拡大させていく。そこにはSNSを中心としたマーケティングに加え、リアルのイベントや現地メディアと組んで情報拡散を実施。リアルとデジタルは商売する上でどちらも必要不可欠な手段であるため双方が最良の相乗効果になるよう、研究・挑戦し続けます。









海外ではデジタルに加えリアルも注目。昨年はIGTVやTikTokなど新たなSNSプラットフォームが世界的に流行しました。これらの最新プラットフォームとリアルを融合させたモデルでASEAN展開に成功する企業が増えてほしいですね!
2019年 オフィスはファシリテックで進化する
DCセンター総括 嶺川 真吾


bot・音声認識・感情分析等々コンタクトセンターのテクノロジー強化は日々進んでいます。これらテクノロジーのオフィスファシリティへの活用も進んでいくと思っています。単に業務効率化の活用に留まらず、スタッフの行動・視覚・聴覚・表情等々色々な情報をデジタル活用した“働きごこち”の良いオフィスに進化させ、そこからコミュニケーションを活性化していきたいですね。
※ファシリテックはファシリティとテクノロジーを融合させたオリジナルの造語









嶺川はテクノロジーが「働き方」に及ぼす影響について言及。昨年は音声認識などのテクノロジーをコンタクトセンター品質向上に活用してきましたが、今後はそれだけでなくオフィスファシリティにも活用することで“新”働き方改革となるかもしれません。
ポイント2 テクノロジーを追い越す「行動力」
2019年は イノベーションテクノロジーの本気
デジタルエクスペリエンス本部 松久 直広


AIチャットなどのサポート、MAなどのマーケティング、様々なコミュニケーション領域で出揃ってきた様々なイノベーションテクノロジー。今年は平成も終わりを迎え、来年にはオリンピック。こんな時代です。
どれか1つでも、取り入れて突き詰める企業(部門)が続々登場すると思います。我々もイノベーションテクノロジーを全領域でカバーしながら、その点と点をどう線にするかに挑戦します。









LINE社も2018年12月に法人向けサービスを「LINE Biz-Solutions」として統合するなど、ツールやサービスも日々変化しています。今年はどんな変化が起こるのか…わたしたちも本気を出して対応していきます!
2019年は 挑戦
EC事業推進統括部 橋本 望


サブスクリプションモデルやシェアリングエコノミーなどECに関連する新たなサービスが台頭してきていますし、メーカーが直接コンシューマーへ商品やサービスを販売する「D2C」形態も、さらに加速すると思われます。そのようにメーカー側が挑戦してきている状況なので、一緒に進んでいけるようわたしたちも、もっと新しいことに挑戦していかなければいけないと考えています!









小売メーカーが大きく動き出しているEC市場で「D2C」は引き続き要チェックワードですね。今年は流通の流れに変化が生まれる様子が見られるかもしれません!
掟は破るためにこそある
BPOS統括 事業推進本部 原田 康治


150年前は明治維新、あの時日本は侵略される危機感からあらゆる文化や掟を断ち切って世界に出ていきました。現在の日本社会は少子化、働き方改革が進むなど大きく変化しています。元号が変わるこのタイミングで同じよう世界に出ていかないと負けてしまう!そんな中で各BPOプレイヤーとどのように協働していくか、どれだけダイナミックにサービスを提供できるかが問われます。2020年のオリンピック以降も日本企業が成長していくために2019年は掟を破り、世界で戦うベースを作る年になるのではないでしょうか。









編集部:昨年はデジタルテクノロジーでさらに業務を効率化する「Digital BPO」を提唱。社会全体の働き方改革が進む中でどのように貢献していけるかも注目ですね。
ポイント3 テクノロジーが進化するほど「原点回帰」
人
コミュニケーションデザイン統括部 栗山 浩二


テクノロジーが進化していくと同時にデータがフォーカスされやすくなりましたが、いつの時代も、情報を届ける先は「人」。データばかりをみる「データドリブン」ではなく、データはもちろんの事、インサイトの把握など人を中心とした「データオリエンテッド」なアプローチがより重要になると思います。









この世はビッグデータ時代…データドリブンマーケティングが当たり前になりましたが、データの先には人がいるということを今一度考える時なのかもしれません。データとの掛け合わせで生まれるタノシクリエイティブが今年も楽しみです!
2019年は “改めて消費者視点”
アカウントエグゼクティブ総括 福島 太樹


オリンピックを2020年に控え、2019年は今まで以上に様々な外的環境の変化とテクノロジーの進歩が想定されますが、詰まるところは”消費者視点”です。様々な変化をキャッチアップするとともに、その変化に惑わされず消費者視点を改めて徹底して取り組んでいきたいと思います。









SNSなどあらゆる情報のなかで企業からのメッセージもあふれている状態です。そんな時代だからこそ消費者に必要とされている情報を見極める力が重要。原点に立ち返る大事なメッセージですね。
2019年デジタルマーケティング、デジタルテクノロジーで飛躍するために
トランスコスモスにとって事業原点でもある「people & technology」があらためて重要な一年となりそうです。
「デジタル」はあくまで手段のひとつ。怒涛の変化が予想される2019年だからこそ人とテクノロジーの力を掛け合わせ、最適な解決策をつねに模索していきます。
trans+でも引き続き最新のデジタルトランスフォーメーション情報をお届けしていきますので、2019年もよろしくお願いします!